経営・戦略

2026.08.31 15:00

メタがAIで人員10%削減しコード変更220%増 その裏で「品質・士気・安全」は悪化

Olga - stock.adobe.com

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Meta(メタ)は5月に従業員の10%を削減し、AI支援によるコード変更は前年比で220%増加した。

だが、コードが増えた一方で、問題も増えた。

新機能や改良されたユーザー向け機能の増加は36%にとどまった。一方で最も重大な問題は、同社で技術面およびサイバーセキュリティ上のインシデントが前年から40%増加したことだった。

その結果、生産性が向上するどころか、従業員が火消しに費やす時間は前年に比べ70%増加した。一方、従業員の好意的なセンチメントは74%からわずか55%へ急落している。

メタは、組織が人材を犠牲にしてAI導入を急速に進めた場合に何が起こるかを示す、典型的な教科書的事例だ。その過程で、品質と雇用主ブランドが損なわれ、リスクが高まる。

この人員削減は、「Project OT」(組織変革を意味するOrganizational Transformationの略)と名付けられたプロジェクトの一環だった。メタの経営陣は、従来型のチームや管理体制よりも、より小規模でスリムなチーム、すなわち「ポッドリード(チームリーダー)」が監督する3〜5人の従業員から成る「ポッド」の方が、より多くの仕事をより速く生み出せると提案した。

同社のアンドリュー・ボズワースCTOは社内で、コード生成の増加を根拠に、極めて小規模なチームは機能していると従業員に説明した。だがロイターは、今年の導入により一部の従業員が過重な負担を感じ、混乱していたと報じている。あるポッドリードは、管理職研修を受けていなかったため、自分の役割がわからない状態だった。

別の従業員たちは期待外れだと感じていた。解雇はされなかったものの、応用AIエンジニアリングチームに配置転換され、本人たちが退屈で単調だと考えるAIモデル訓練タスクに従事した。その結果、従業員は自分が過小評価されていると感じ、仕事へのエンゲージメントも低下した。

メタのような企業がAIを過大評価すると何が起きるのか

「AIをネイティブに活用するエンジニアリングチームでは、コード生成が高速化したことで、同じ人数で評価すべきプルリクエスト(コード変更の取り込み申請)や変更差分(ディフ)が増え、レビュー時間は約30%増加している」と、AI測定プラットフォームであるLarridinの調査データに基づき、筆者はメールで説明を受けた。「企業がワークフロー全体を再設計しないまま、個別タスクにエージェントを導入すると、従業員は出力を待ち、複数のエージェントをさばき、そのうえでエージェントが生み出した成果物をレビューし、修正し、場合によってはやり直さなければならない」

企業はAIの将来性と現在の能力を盲目的に過大評価し、生産量の増加を生産性の向上と混同しているのだろうか。

職場におけるAIのマイナス面の1つは、大量のノイズを生むことだ。かつては専門的なスキル、労働力、資産だったものへのアクセスを民主化するツールを全員に渡すと、その仕事は事実上コモディティ化し、価値はタスク作成そのものにまで引き下げられる。

これは良いことにもなり得る。例えば、クリエイティブ職ではない人が、デザインの専門家に頼らずに次のプレゼンテーション用の完成度の高いプレゼン資料を作成できるようになる。しかし、副作用もある。

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