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2026.08.29 10:26

AI時代に新興国が飛躍するための「3つの人間力」

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人工知能(AI)の時代の大半において、世界的な議論の中心は技術的リーダーシップにあった。最も高度なモデルを持つ国はどこか。コンピューティングインフラを支配しているのは誰か。最大規模の投資はどこで行われているのか。これらの問いは重要だが、新興国にとってより重要な機会を見えにくくしている可能性がある。

世界銀行の「世界開発報告2026」は、AIが開発途上国の生産性向上、スキルギャップへの対応、公共サービスの改善、長年の開発制約の克服にどのように役立ち得るかを検討している。2026年7月に国際通貨基金(IMF)が発表したサハラ以南アフリカに関する分析も、その機会を裏づける一方で、AIの恩恵を取り込むうえでの障壁として、不安定な電力供給、限られたデジタルインフラ、技術スキルの不足、制度的能力の格差を挙げている。国連開発計画(UNDP)も26カ国の評価から同様の結論に達しており、AIへの備えは、導入が始まった後に各国がそれを管理する能力にますます左右されるとしている。従来の開発上の障壁を飛び越えるためにAIを活用するには、新興国の政府指導者が機敏に主導し、絶え間ない変化に対応し、限られた資源を最適化する必要がある。

機敏に主導する

AIは政府に特異な課題を突きつける。技術の進化が従来の計画策定サイクルより速いからだ。今日のポストVUCAのグローバル市場では、5カ年のデジタル戦略でさえ、モデルが改善し、コストが低下し、応用領域が生まれ、AIに関する前提が変化し続けるなかで、時代遅れになり得る。リーダーには、実験し、学び、前提を再評価し、証拠が現れるにつれて政策を調整する能力が必要だ。完璧な国家AI戦略を待つのではなく、政府は具体的な課題に対する解決策を試し、結果を評価し、価値を示したアプローチを拡大することができる。

IMFの「Unlocking the Potential: AI in Sub-Saharan Africa」は、その緊急性をとりわけ明確に示している。同報告書の著者らは、この地域にとっての中心的課題は、各国がAIの恩恵を取り込むのに十分な速さで、AIを導入し、適応させ、拡大できるかどうかだと論じている。また、各国はAI技術の恩恵を得るために、必ずしもAI開発の最前線で活動する必要はない。この違いは、新興国のリーダーがAI時代の競争をどう考えるべきかを変える。

私は以前のForbes 記事、「Why AI Skill Development Often Has Little To Do With AI」で、「アジャイル思考は、効果的なAI活用の認知的な基盤を成す」と述べた。新興国が最先端モデルの構築で米国や中国とどう競争できるかを問う代わりに、リーダーは既存のAIが農業、教育、医療、行政サービスをどこで改善できるかを問うことができる。世界銀行も同様に、開発途上国がAIを使ってスキル不足や生産性の課題に取り組む機会を指摘している。したがって、機敏に主導するとは、単に素早く動くこと以上の意味を持つ。素早く学び、学んだことに基づいて行動することなのである。

絶え間ない変化に対応する

政府や社会に、AIが生み出す変化を吸収する能力がなければ、実験はほとんど成果を上げない。技術変化に対する従来のアプローチは、比較的明確に特定できる移行を前提としている。新しいシステムが導入され、労働者が訓練を受け、組織が適応し、最終的に新たな均衡が生まれる、というものだ。AIはこのモデルに挑戦する。移行の最中にも、技術そのものが変化し続けるからである。リーダーは、技術、仕事、制度、期待が進化するなかでも方向性を維持しなければならない。

UNDPの「Reading AI Readiness Backwards」は、この課題を理解するうえで重要な視点を提供している。2024年から2026年にかけて実施された26件のAIランドスケープ評価に基づき、同報告書は、AI導入が進み始めると、備えのあり方そのものが変化すると論じている。政府は、新たに生じる制約を特定し、リスクがどこで高まっているかを理解し、AIを公共価値と持続可能な開発に向けて導くために必要な能力を構築しなければならない。AIへの備えは、政府がいつか到達する目的地ではなく、継続的なプロセスになる。

ガバナンス上の課題も、この点を裏づけている。2026年版「Global Index on Responsible AI」は135の国・法域を評価し、特にグローバルサウス全体で、責任あるAIに関する枠組みとその実施との間に根強いギャップがあることを明らかにした。したがって、AI戦略を策定することは始まりにすぎない。政府には、技術が進化するなかで、それらの戦略を実施し、評価し、執行し、適応させることのできる制度が必要だ。

絶え間ない変化は、働く人々にも大きな意味を持つ。ウルリッヒ・ボーザーは、AIが人々の担うタスクを変えるなかで、適応力と継続的な学習がますます重要になっていると論じている。一方で、ジェイミー・メリソティスは、技術の能力が高まるほど、人間の能力の価値が高まると強調している。その結果、教育と労働力育成のシステムには、より短い学習サイクル、利用しやすい資格認証、学習と雇用のより強い結びつき、キャリアを通じて新たな能力を身につける機会が必要になる。新興国は、仕事の中身が明日も変わり続ける以上、人々を今日の職務だけに備えさせることはできない。

限られた資源を最適化する

どの政府も制約の下で運営されているが、電力、ブロードバンド、公的資金、熟練労働者、医療専門職、教師、制度的能力がすでに不足している可能性のある国では、その制約はいっそう重大になる。AIはこうした限界をなくすわけではないが、その範囲内で政府が達成できることを変え得る。資源の最適化とは、限られた資金、人材、インフラ、専門知識、時間が、AIによって補強されることで、どこでより大きな価値を生み出せるかをリーダーが見極めることを意味する。目的は既存プロセスの自動化にとどまらず、希少な資源をどのように配分できるかを見直すことにある。

この可能性は、世界銀行の開発論の中心にある。AIは、教師や医療専門職の不足への対応、専門知識へのアクセス改善、中小企業の支援、意思決定の強化に役立ち得る。しかも、開発途上国が裕福な国々にあるすべての資源を再現する必要はない。IMFも同様に、情報、教育コンテンツ、知識移転へのアクセスを高めることで、AIが人的資本形成を加速する可能性を指摘している。深刻な資源制約に直面する国々にとって、こうした効果はとりわけ重要になり得る。

応用は実践的なものになり得る。AIに支援されたシステムは、臨床医がより多くの患者に対応するのを助け、教師が個別化された学習教材を作成し、農家が天候や市場の分析にアクセスし、中小企業がかつて主に大企業だけが利用できた分析能力を得ることを可能にするかもしれない。これらの例は、技術そのものへの関心から、技術が解決を助け得る課題へと焦点を移す。中心的な問いはこうなる。AIは、ある国がすでに持っている資源の効果をどのように増幅できるのか。

コロンビアの研究は、技術へのアクセスだけでそれが実現すると考えることへの重要な警告も示している。クリスティアン・エスピナル・マヤの2026年の研究は、コロンビアの440職種にわたる1万8796の職務タスクをマッピングし、その指標を10万5517人の労働者を対象とするデータと組み合わせた。同研究は、グローバルサウスにおける人間とAIの補完関係にとって、技術アクセスだけでなく、労働市場制度が制約要因になり得ると結論づけている。したがって、資源の最適化は、人材、制度、インフラ、情報、時間、そして人々がAIの能力を経済的価値へと転換できるようにするシステムを含むものでなければならない。

結論

新たに形成されつつあるAIの状況は、逆説を示している。より豊かな国々は、計算能力、研究大学、資本、インフラ、技術人材において大きな優位性を持つ。しかし、その優位性は、AIが生み出すあらゆる重要な恩恵をそれらの国々が取り込むことを保証するものではない。

新たな研究は、開発途上国にとって別の可能性を示唆している。ますます利用しやすくなるAIは、従来の制約を克服する助けになり得るが、各国には技術的能力を経済的・社会的価値へと転換するためのスキル、制度、インフラ、適応能力が必要だ。新興国の政府が、機敏に主導し、絶え間ない変化に対応し、すでに手の届く範囲にある資源を最適化できる人材を育てられるなら、人工知能から大きな恩恵を得る位置につくことはなお可能である。

自己省察のための問い

  1. AIは、既存プロセスを単に自動化するのではなく、開発上の制約を克服するためにどこで役立ち得るか。
  2. AIの能力が進化するなかで、経済、労働力、制度についてのどの前提を見直すべきか。
  3. 政府はどれほど迅速に実験し、結果から学び、方向転換できるか。
  4. 教育と労働力育成のシステムは、仕事が変化するなかで人々に必要となる適応力を育てているか。
  5. AIは、限られた国家資源のうち、どれをより効果的に活用する助けになり得るか。
  6. 制度は、AIを責任ある形で拡大するために必要なガバナンス能力、公的信頼、説明責任を備えているか。
  7. 高度なAIが安価で広く利用可能になった場合、国が恩恵を得られるかどうかを決めるのは、どのような人間と制度の能力か。

forbes.com 原文

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