経営・戦略

2026.08.29 10:08

採掘は追いつかない:リサイクル鉱物に眠る数十億ドル規模の商機

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世界は、自ら供給できる以上の速さで開発を進めている。AIデータセンター、近代化された電力網、そして製造業やサプライチェーンのニアショアリング(近隣国への移転)の波は、すべて同時に同じ原材料を求めており、その需要はこれまでに見たことのない規模になると予測されている。

  • 今後18年間で、世界経済は人類がこれまでの記録された歴史において採掘したのと同量の銅を必要とすることになる。
  • 銀は、太陽光発電、電気自動車(EV)、AIを駆動するハードウェアに圧迫され、現在5年連続で構造的な供給不足に直面している。
  • レアアース(希土類元素)や戦略的磁石に対する最近の輸出規制は、導入から数週間で大手自動車メーカーの生産ラインを混乱させ、一次鉱物の精錬サプライチェーンがいかに脆弱で偏在しているかを実証した。

採掘だけでは、今日の差し迫った需要に対応できるほどの迅速な規模拡大は望めない。新しい銅鉱山が発見されてから操業を開始するまでには平均して16年を要し、既存の鉱山における鉱石の品位は低下し続けている。

私たちが捨てている900億ドル(約14兆4000億円)規模の鉱山

このハードルをうまく乗り越えるために、グローバルな投資家や多国籍ブランドは、即座に利用可能な二次的な供給源を確保すべく、循環型のソリューションに目を向けなければならない。新規の物理的な鉱山が許認可や資金調達のハードルをクリアするのを何十年も待つだけでなく、現在廃棄物の流れの中に眠っている数十億ドル相当の価値ある資産を回収するために、私たちにできることはもっとあるはずだ。

現在、アジアでは毎年、世界全体で発生する電子廃棄物の50%が排出されている。このうち正式にリサイクルされているのはわずか12%に過ぎないため、同地域では毎年、910億ドル(約14兆5000億円)相当の未回収の金属や重要鉱物が事実上廃棄されていることになる。

この廃棄物の流れをめぐる数値は非常に魅力的だ。従来の採掘では、銅の含有量が0.5%から1%未満の鉱石から銅を抽出する。それとは対照的に、データセンターの回路基板の原料には、重量比で20%から25%もの純銅が含まれている。

今こそ投資すべき時だ

これは私たちが熟知している課題だ。サーキュレート・キャピタル(Circulate Capital)は、10年近くにわたり南アジアおよび東南アジア全域でプラスチックの循環型サプライチェーンを構築しており、その教訓は重要鉱物にもそのまま応用できる。分散した地域の廃棄物を、信頼性の高い高品質な原材料の供給源へと変えることは、支援する価値のある以下の3つの機会に集約される。

  1. 地域の事業者とグローバルなサプライチェーンおよび引き取り契約の連携:現在、地域の事業者はサプライチェーンが分断され、透明性が不足しているため、グローバル市場へのアクセスに苦労しており、原材料を最も必要とする買い手とつながりを持てずにいる。国際的な機器メーカー(OEM)への直接的なルートを確立することで、地域のリサイクル事業者はグローバルブランドとの間で、認証されたリサイクル原料の長期的な引き取り契約を結び、安定した需要を獲得できる。この仕組みにより、製造ラインに対して、信頼性の高い地域に密着したグリーンメタルの供給源が提供されることになる。
  2. 技術と支援によるリサイクル事業者の能力および品質の向上:リサイクル事業者は、高度な技術への投資に必要な初期資金や、事業を拡大するための適切なガバナンス体制を欠いていることが多い。現地の加工事業者は、高度な選別や重要鉱物の回収技術といった高効率の精錬能力を導入することで、鉱物の回収率を劇的に向上させ、最終的な製品の品質を改善する機会がある。そうしたハードウェアと技術的支援を組み合わせることで、ガバナンスをプロフェッショナル化し、現地の事業を最高の国際的な環境・エンジニアリング基準に完全に準拠させることができる。
  3. 責任ある調達エコシステムの強化:インフォーマル(非公式)セクターは、断片化された物流ネットワークを用いて独立して運営されていることが多く、これがリスクを生み出し、安定した回収量を確保する上での大きな障壁となっている。インフォーマルなリサイクル部門を取り込み、厳格な環境・社会的リスク軽減策を実施する、信頼性の高い静脈物流(リバースロジスティクス)ネットワークに投資することは、価値の高い廃棄物の流れを捉え、公正な労働条件を標準化するために必要な、公式の回収インフラを積極的に拡大することにつながる。これらのネットワークを公式化することで、回収分野への大規模投資を阻む信頼性とコンプライアンスのギャップを埋めることができる。

こうした市場の課題を解決するためにサプライチェーンが発展する一方で、各国政府は回収された原材料を戦略的優先事項として扱っている。米国、日本、オーストラリア、インドを結ぶ日米豪印重要鉱物イニシアティブは、二次供給を支えるために民間資金を動員することを明確な目的として構築されている。インドは重要鉱物リサイクルインセンティブ制度に1億6000万ドル(約255億円)を投じており、ベトナムの政令「05/2025」は、リサイクルされた電子機器を取引可能なEPR(拡大生産者責任)証明書に変換し、コンプライアンスをコストではなく収益源へと変えている。一方で企業は、自社の供給を特定の1カ所にどの程度集中させるべきかについて、積極的に見直しを進めている。

いまだ欠けているのは、回収を大規模に機能させるためのインフラへの投資だ。原材料コストを安定させ、地政学的ショックから生産ラインを守りたいと考えるあらゆるブランドにとって、その論理は明快である。

世界中の多くの地域が環境から可能な限り多くの資源を採掘しようと躍起になっているが、彼らは本当の商機を見過ごしている。今こそ、次世代の重要鉱物回収を実現する極めて重要な戦略として、循環型サプライチェーンに投資すべき時なのだ。

forbes.com 原文

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