老化は、生物学で最も普遍的で抗えない法則だ。これまでに生きてきたすべての生物は、「既知のものとして最古の樹木」から、記録に残る最長寿の脊椎動物まで、例外なくこの法則に従ってきた。
細胞にはダメージが蓄積し、組織は機能を失う。そして最終的には、死がそれに続く。このプロセスの普遍性が非常に完璧であるせいで、生物学者は長いあいだ、老化を止められるか否かを問うのではなく、そもそも老化が起きる理由を解明しようと試みてきた。
だが、その長年見過ごされてきた問いを、再び浮上させている生物がいる。「不老不死のクラゲ」こと、チチュウカイベニクラゲ(学名:Turritopsis dohrnii)だ。
幅4.5mmほどしかなく、小指の爪よりも小さい、この透明なヒドロ虫(クラゲやポリプの仲間)は、あざやかな赤い色をした体内の消化器が透けて見える状態で、多ければ90本の触手をゆらゆらと背後に従えながら、世界の大洋を漂っている。このクラゲは目立たない存在で、20世紀の大半を通じて、科学界も見落としてきた。しかしチチュウカイベニクラゲは、地球上の他のどんな動物でも確認されていない、ある特徴を備えている――生物学的な老化を逆転させる能力だ。
減速させるのではない。止めるのでもない。逆転させるのだ――何度も繰り返し、しかも、おそらくは際限なく。
多細胞生物におけるこうした能力は、チチュウカイベニクラゲを含む一部のクラゲにのみ見ることができる。そして、科学者がその仕組みを詳しく調べるにつれて、老化とは実際のところ何なのかという前提に、疑義が生じ始めている。
不老不死のクラゲは、どうやって「リセットボタン」を押すのか?
チチュウカイベニクラゲを並外れた存在にしている特質を理解するにあたっては、まず、他のすべてのクラゲと共通する点を理解しておくのがいいだろう。すべてのヒドロ虫綱の例に漏れず、チチュウカイベニクラゲも、極小のプラヌラ幼生として一生を始める。しばしのあいだ大海原を漂ったあと、海底に付着して、群体性のポリプに発達する。ポリプとは、海底に固定された小さな構造で、私たちが知るクラゲの姿とは似ても似つかない。
そのポリプの群体から、自由遊泳性のメデューサが出芽し、ほんの数週間で、成熟した成体に発達する。おおまかに言えば、これがヒドロ虫綱の標準的な基本プランだ。ほとんどの種は、このプランを最後までたどる――メデューサは生殖し、老化し、死ぬ。ところが、不老不死のクラゲは違う。
成熟したメデューサが、飢えや、体の損傷、病気、細胞の劣化といったストレスにさらされると、奇妙なことが起こり始める。死に向かう代わりに、触手を引っこめ、傘を再吸収して沈んでいくのだ。そして、内側へと崩壊し、研究者がシスト段階と呼ぶ、無構造の組織のかたまりになったあと、全身を再編成し、またきちんと機能するポリプとなって現れる。つまり、時計をリセットするのだ。
1996年に『The Biological Bulletin』で発表された研究で最初に記録されたこのプロセスは、比喩としての若返りではない。文字どおり、全身が変容する。これは電子顕微鏡でも確認されている。すっかり分化していた成体の細胞(つまり、すでに筋肉や神経や上皮組織としての任務を負っていた細胞)が、その任務を完全に放棄し、新たなアイデンティティを身につけるのだ。こうしたプロセスは、動物界では極めて珍しい。
ほとんどの生物では、細胞分化は一方通行だ。筋細胞が筋細胞になったら、そのまま筋細胞であり続ける。人類が研究しているほぼすべての動物の発生生物学は、この不可逆性という前提の上に築かれている。チチュウカイベニクラゲは、その前提に異議を唱えているのだ。



