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サイエンス

2026.09.02 18:00

ヒトの皮膚にすむ常在菌は1兆個、体臭や免疫に関わる驚きの役割とは

stock.adobe.com

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生物学者の推計によると、ヒトの皮膚には常時、1兆個レベルの細菌が存在するという。この数は、2016年に『PLOS Biology』に掲載された研究で提示されたもので、過去に実施された、人体全体を対象とした微生物の総数調査に基づいている。

こうした測定は非常に難しいため、標本抽出の手法によって推計値は変わってくるものの、信頼できる値の幅は、すべて兆のレベルに達している。しかもこの数字には、菌類や、顕微鏡サイズのダニ、細菌自体に感染するウイルスの数は含まれていない。

ここで推計の対象となっている細菌は、コンタミネーション(外部からの意図せぬ混入)ではない。これらの微生物の大部分は、通りすがりではなく、人間の皮膚という特定の環境に適応しており、一部には、他の環境ではまったく暮らしていけないものさえある。

ここで、より有益な問いかけは、我々の皮膚の上で、これらの生物が何をしているのか?というものだろう。

異なる微生物がすむ皮膚の3つのエリア

成人の皮膚の総面積は、延べ約2平方メートルだが、実際に微生物が居住可能なスペースを考えると、これは実態より少ない数字だ。毛包や汗腺、皮脂腺のくぼみが表面積にプラスされるからだ。特に、毛髪の根本を取り巻く毛包は、微生物が隠れられる奥まった空間を提供している。外気にさらされている体の表面とは違う環境だ。

微生物学者は多くの場合、人体の皮膚を3種の「生息エリア」に分類している。1つ目は、額や鼻、背中の上部などの皮脂が多い部位。2つ目は、わきの下や肘窩(ちゅうか:ひじの内側)、足指のあいだなどの湿った部位。3つ目が、前腕や脛(すね)などの乾いた部位だ。それぞれのエリアに、異なる微生物の集団が生息している。

この分野で、最も長く支持されてきた研究結果の一つは、2009年に『Science』に掲載されたものだ。この論文では、健康なボランティアの被験者を対象に、計20の皮膚部位にすむ細菌集団を分析した。それによると、ある人の額に生息する細菌集団は、その人の前腕に生息する細菌集団よりも、見ず知らずの人の額にすんでいる細菌集団の方に近い事例が多かったという。つまり、それぞれの部位の状況の方が、宿主である個人の違いよりも重要ということだ。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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