資本は、どの政党の看板が掲げられているかは気にしない。資本が反応するのは、税制上の扱いや、規制による負担、あるいは契約がきちんと履行されるか、財産権が守られるか、といったことだ。これらはどれも、一度の選挙で一夜にして変わるようなものではない。
大手企業の業績は絶好調、中小も雇用に前向き
米国企業の現状も確認しておこう。
ファクトセットによると、2026年4〜6月期の企業業績は申し分ないと言っていいほど好調だ。S&P500構成企業の88%が4半期決算を発表した時点で、利益が市場予想を上回った企業は86%にのぼる。この割合は2021年4〜6月期以来の高さであり、過去5年間の平均(78%)よりもかなり高い。売上高も11業種すべてで伸びている。また、4〜6月期に大幅な増益を計上したアルファベットとアマゾンを除いても、利益サプライズ率(市場予想に対する上振れ幅)は10.9%と、通常の水準を大きく上回っている。
中小企業は採用や設備投資で前向きな姿勢を示している。全米自営業者連盟(NFIB)が発表した7月の中小企業楽観度指数は前月から2.4ポイント上昇して99.8となり、52年間の平均を上回った。向こう3カ月で従業員を増やす予定の経営者は、減らす予定の経営者を差し引いて20%となり、2022年10月以来の高い水準になった。また、向こう6カ月間に設備投資などの資本支出を予定している経営者は4人に1人と、2024年12月以来の高い割合だった。
冷静さを保つ
投資会社バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット会長は有名な「株主への手紙」のひとつで、「心が落ち着かない状態では適切な判断はできません」と株主に忠告している。筆者は、投資家がここで戒められていることをしてしまうのを何十年も見てきた。9月は忍耐力を試される月になるかもしれない。まして中間選挙の年には、その試練はいっそう厳しくなる。だが、いずれにせよ投票は集計され、不確実性はぬぐわれる。そして、企業は利益を生み出す活動へと戻っていく。
市場にとどまろう。ポートフォリオの分散も維持しておくように。また、これから11月3日までの間、飛び交う雑音に投資判断を惑わされないようにしよう。


