米国時間8月28日、PayPal株は取引開始前の時間外取引で前日終値を一時16%下回り、終値も12.71%安の53.66ドルとなった。決済処理大手ストライプと未公開株投資会社アドベント・インターナショナルが530億ドル(8兆4800億円)規模のPayPal買収を断念したとブルームバーグが27日夜に報じたためだ。ストライプとアドベントによる買収の動きは、7月中旬に報じられて以降、PayPal株を押し上げてきた。
PayPal株が時間外で一時16%安、終値は53.66ドル
PayPal株の27日終値は61.47ドルだった。28日は取引開始前の時間外取引で下落率が一時16%に達し、立会時間に入ると53.74ドル前後で取引が始まった。日中の値幅は52.62ドルから54.76ドルで、終値は前日終値比12.71%安の53.66ドルとなった。ストライプとアドベントが買収を目指していると7月に報じられて以降、PayPal株は30%近く値上がりしており、27日終値時点の時価総額は約526億ドル(8兆4160億円)だった。
買収提示は1株60.50ドル、ストライプとアドベントが断念
ストライプとアドベントはPayPalに対し、1株60.50ドルで買収する案を提示したと伝えられている。1株60.50ドルという価格は、PayPal全体を530億ドル(8兆4800億円)超と評価する水準にあたる。ブルームバーグは27日夜、事情に詳しい関係者の話として、ストライプとアドベントがPayPal買収をもはや追求していないと報じた。
PayPalは競争激化で苦戦、経営陣刷新や人員削減で立て直し
PayPalは成長の鈍化に加え、Apple PayやGoogle Payをはじめとする決済サービスとの競争にも苦しんできた。成長鈍化と競争激化に対応するため、PayPalは近年、経営陣を入れ替え、従業員を削減し、コストを切り詰めて収益性を立て直そうとしてきた。
株価は提示額60.50ドルを下回り、価格引き上げ交渉も続いた
ストライプとアドベントによる買収の動きが7月に報じられて以降、PayPal株は30%近く値上がりしていた。ただし28日の株価は、伝えられた提示価格である1株60.50ドルを大きく下回る水準で推移した。1株60.50ドルという提示は、PayPalを530億ドル(8兆4800億円)超と評価するものだった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は買収断念が伝わる前に、PayPalが提示額を不十分と受け止めており、PayPalとストライプ・アドベントの2社が価格を交渉していると報じていた。
パンデミックによる株高が続いた2021年、PayPalの時価総額はピークとなる約3560億ドル(56兆9600億円)に達した。伝えられた買収提示額は、PayPal全体で約530億ドル(8兆4800億円)だった。



