米国時間8月28日、連邦準備制度理事会(FRB)議長のケビン・ウォーシュは、ワイオミング州ジャクソンホールで講演した。中央銀行が毎年開く経済政策シンポジウムへの登壇は初めてで、インフレ率がなお高すぎるとの懸念を表明した。あわせて、市場に向けた発信のあり方を改め、より「静かな」中央銀行を目指す考えを示した。
インフレ指標は予想より良好でも、物価の基調は改善せず
自身初となるジャクソンホール講演で、ウォーシュは直近のインフレ指標に触れた。「予想より良好だったが、物価の基調が意味のある形で改善したとは私には読み取れない」と述べた。
コアPCE物価指数は7月に前年比3.3%上昇、市場予想を上回る
FRBが金融政策の判断で最も重視するインフレ指標は、個人消費支出(PCE)物価指数である。変動が大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は、7月に前年同月比3.3%上昇した。消費者物価の伸びが鈍る兆しは、コア指数の動きからは確認できない。ウォール街は3.2%への小幅な鈍化を見込んでいたが、実際の上昇率は市場予想を上回った。
静かな中央銀行を掲げ、投資家がFRB頼みで売買する状況を否定
ウォーシュは講演で、より「静かな」FRBを訴えた。中央銀行は「経済と市場で不可欠な役割を果たしている」とし、金利を動かすという「手段は強力だ」と語った。その上で「市場参加者は常に、我々が次に何をするかを予測しようとする」と述べた。
ウォーシュは続けて、「市場参加者が次の売買のよりどころを、もっぱらFRBに求めるような体制を我々は容認すべきではない」と主張した。投資家が経済や企業の実態ではなくFRBの動きを材料に売買する市場を、中央銀行みずから助長してはならないという趣旨である。
インフレが2%目標へ向かう確信がなければ、FRBの仕事は終わらない
ウォーシュは金融政策を判断する基準も示した。「基調的なインフレが目標へ向かって明確に、かつ十分な速さで動いていると確信できなければならない」と述べた。その上で「そうでなければ、我々にはやるべき仕事が残っている」と語った。



