AI

2026.08.31 07:30

AIブームは何年先まで続く? エヌビディア決算の部材発注「44.6兆円」が示す賭け

Torpix - stock.adobe.com

Torpix - stock.adobe.com

エヌビディアが2026年8月26日に発表した2027年1月期第2四半期の決算が示したのは、AIシステムに対する並外れた需要だけではない。決算からは、需要の強さよりもはるかに重い一手が読み取れる。

advertisement

将来のデータセンター向けシステムに使うメモリーなどの部材と、その製造を担う工場の生産枠を、供給元との契約で先に押さえる手法自体は、以前の開示にも表れていた。今回新たに判明したのは、購入を確約した金額が総額2790億ドル(約44兆6400億円)まで積み上がったことだ。この確約は、現在進行中のAI投資の波を何年も超えて先まで伸びており、長期のAIインフラ需要に向けてエヌビディアがどれほど攻めた構えを取っているかを示している。

2027年1月期第2四半期は2026年4月27日から7月26日までの3カ月間で、売上高は962億ドル(約15兆3920億円)と前年同期比106%増だった。主力のデータセンター部門は2倍を超える伸びとなり、890億ドル(約14兆2400億円)に達した。経営陣は次の第3四半期にさらに1080億ドル(約17兆2800億円)の売上高を見込み、次の会計年度にあたる2028年1月期については約70%の増収になると投資家に伝えている。

こうした数字を前にして、AI需要が消えつつあるなどと論じるつもりはない。私が何度も立ち返ってしまうのは、むしろ2790億ドル(約44兆6400億円)という数字のほうだ。

advertisement

2790億ドルとは、2026年7月末の時点でエヌビディアが供給元と結んでいた購入契約の総額である。3カ月前の4月末時点では1190億ドル(約19兆400億円)だった。契約の中身は、現行世代と次世代のデータセンター向けシステムに必要なメモリーと製造能力が中心とされ、一部は取り消しや納入時期の変更、条件の調整ができる。2790億ドルを負債と呼ぶのは誤りだが、この金額は、エヌビディアが今後数年をどう見ているかを教えてくれる。

長らくエヌビディアを巡るリスクの1つは、押し寄せる需要すべてに応えられるだけのチップ、メモリー、製造能力を確保できるのかという点だった。エヌビディアは、供給網を大幅に前倒しで押さえることによって、この調達難のリスクに手を打っている。現在、顧客がどれほどの量を発注しているかを踏まえれば、そこまでする理由は理解できる。

私がより強く関心を持つのは、前倒しでの予約がもっと先のリスクにどう跳ね返るかだ。エヌビディアはもはや、顧客から注文が入るたびに、その分の部材を後から手配するだけの会社ではない。数年後にもどれだけの需要が残っているかという自社の読みに基づいて、現時点ではるかに大きな購入契約を積み上げている。

次ページ > 部材が足りるかという不安は薄れ、押さえすぎる不安が生まれた

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事