ところで、パスワード管理で不安なことを聞くと、「情報漏洩」が突出して多かった。やはりサイバー犯罪の被害者になることが恐ろしいという認識は、多くの人が持っている。

では、今のようなパスワード管理で大丈夫なのだろうか。パスワード関連で困った経験を尋ねると、もっとも多かったのがパスワードを忘れてログインできなかったことで、じつに79パーセントにのぼった。多くの人がいちばん不安に思っている不正アクセスや乗っ取りの被害に遭ったという人は10.3パーセントだった。

この数字を多いと取るか少ないと取るかは微妙な問題だ。サイバー犯罪の犠牲になる確率がたった10パーセント程度なら、それを覚悟で簡単なパスワードの使い回しをしていたほうが楽だと思えてくる。だがそれは、現在のパスワードというジレンマを含んだ技術から生まれた歪んだ認識だ。
個人をターゲットにしたサイバー攻撃は、クレジットカード情報の抜き取りといったわかりやすいものばかりではない。自宅のパソコンのIPアドレスを勝手に使われて、企業などへの大規模な攻撃の隠れ蓑に利用されることもある。ユーザー本人が気づかないうちに、犯罪の片棒を担がされる恐れがあるのだ。突然、警察が踏み込んできてパソコンを押収していく、なんてこともないとは言えない。
やっぱりパスワードはしっかり管理しておくに越したことはない。無数のサービスごとにパスワード管理が求められる現状では、最適解は、パスワードの管理方法の項目で第5位、17.7パーセントと少数派だったパスワード管理アプリの利用だろう。それを使っておけば、自分にもしものことがあったときも家族がパスワード管理を代行できる。ちょっと考えてみるといい。


