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2026.08.28 15:45

Xtrepreneur AWARD 2026 授賞式レポート| 皮膚、骨、出血を3D再現「失敗できる患者」がグランプリ

受賞に際して、ミライズウェルメディカルグループ/MEDiDENT代表で矯正歯科医の富田大介、統括本部長の富田由美子、日南取締役デザイン&エンジニアリング統括本部長の猿渡義市が、今回のプロジェクトを振り返り、今後の抱負を語った。
 
「3Dクローンは、私が臨床現場と教育現場で感じていた課題から生まれました。手術は、いくら勉強しても画面上でシミュレーションしても、最終的にはぶっつけ本番のような構造になっています。そこで、失敗できるクローンを作ろうという発想をしました。ただ、医療従事者がもつ技術だけで患者の構造体を理解しながらリアルな体をつくるのは難しい。僕たちは世界トップレベルの技術をもつ日南さんと手を組むことで、このクローンが実現しました。医療教育だけでなく、高度な医療とかつ安全性を高める医療に繋げていきたい」(富田大介)
 
「私たちミライズウェルメディカルグループは、医療を提供することと、若手の医療従事者を育成することを担っています。今回のプロジェクトは、人体模型を精巧に作ることが最終目的ではなく、医療従事者が失敗しても何度も何度も繰り返し学べる環境を作るということと、その先にある患者さんや家族が、どのような形で安心して医療を受けられるのかということを理解してもらう、そういった模型になればと思っています。この技術を、国内だけでなく世界に広げていきたい」(富田由美子)
 
「当社日南は、社会の困りごとに対して必要なものをかたちにするというのがビジョンです。富田先生から医療の現実的な問題を詳しくうかがい、感触や切開した時の感覚をリアルに再現したいという思いを聞きました。医療者としての熱い想いに共感し、先生の高い要求に答えられるよう、たくさんのプロトタイプをつくりました。3Dプリンターという技術が我々の武器ですが、最近ではAIを使うことで技術開発はとてつもないスピードで加速しています。こういった技術で、医療だけでなく、社会課題解決に取り組んでいきたい」(猿渡義市)

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教育現場での活用想定

イベントの後半では、Forbes JAPAN編集長の藤吉雅春をモデレーターに、グランプリ受賞者3者によるトークセッションが行われた。そのなかで、富田大介は日南に対し「実際の患者さんのデータと遜色のないクローンにするため、0.02ミリ単位で作ってもらうようお願いした」と明かした。これを受けて猿渡らは、出血まで忠実に再現するべく、切ると血が出るシートのプロトタイプ制作から着手したという。実際に出血する仕組みが実装されたことで、さまざまな医療関係者からの問い合わせが相次いでいる。
 
藤吉から事業の収益性についての質問が投げかけられると、「大学などの教育現場での活用に加え、実技試験のない医師の国家試験への組み込みも目指している」と展望を述べた。また、富田由美子は「日本の手術技術は世界的にも高く、学びたいという人が多くいる。このクローンを持っていくことで、手術室以外の場所でも日本の技術を伝えられる」と、海外展開の可能性について語った。

左から、Forbes JAPAN編集長 藤吉雅春、ミライズウェルメディカルグループ/MEDiDENT代表で矯正歯科医の富田大介、日南取締役デザイン&エンジニアリング統括本部長 猿渡義市、ミライズウェルメディカルグループ/MEDiDENT統括本部長 富田由美子
左から、Forbes JAPAN編集長 藤吉雅春、ミライズウェルメディカルグループ/MEDiDENT代表で矯正歯科医の富田大介、日南取締役デザイン&エンジニアリング統括本部長 猿渡義市、ミライズウェルメディカルグループ/MEDiDENT統括本部長 富田由美子

「クロストレプレナーたちの挑戦が、ますます重要になる」

イベントでは、本アワードを共催しているNTTドコモビジネス代表取締役副社長の工藤晶子が登壇し、クロストレプレナーの重要性を呼びかけた。
 
「皆さんのプロジェクトを見て改めて感じたのは、社会や産業を取り巻く課題が複雑化するなかで、1者や1企業や1組織では解決できないことが多く、複数の組織や企業が集まって初めて解決できるテーマが増えているということです。だからこそ、企業や業界、組織の垣根を超えてそれぞれの強みや知見を掛け合わせて新しい価値を創出するクロストレプレナーたちの挑戦が、これからの社会にとってますます重要になります」

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NTTドコモビジネス代表取締役副社長 工藤晶子
NTTドコモビジネス代表取締役副社長 工藤晶子
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文=露原直人

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