「先回りするAI」はともに発展途上
Pixelの「情報カード」と、Galaxyの「Now Nudge」も試した。概要を説明すると、どちらもAndroid標準のメッセージアプリで会話に含まれる日時や場所を認識させて、GoogleカレンダーやGoogleマップへ「先回り」しながら橋渡しする機能だ。
カードが正しく表示されれば、次に必要なアプリへ素速く移れる。Galaxyのほうが画面遷移はスムーズに感じたが、基本的な手順と得られる結果には大きな違いがなかった。
むしろ気になったのは、PixelとGalaxyのどちらも会話に含まれる情報を常に正しく拾えるわけではないことだ。期待したカードが出ない場合もあり、先回りの精度はまだ安定しているとまでは言えない。

グーグルはAndroidやGeminiを開発する立場だが、現時点でPixelに特別な優位があるとは感じなかった。GalaxyもGeminiを利用できるうえ、サムスン独自のAIとOne UIを組み合わせながらPixelに追いつき、追い越すほどの意気込みで「AIスマホの体験」を高めている。両社が掲げる「先回りするAI」の構想には期待できるが、いまはまだその便利さを磨いている段階にある。
マルチタスクUIの操作性に差
最も明確な差が表れたのはマルチタスクだ。Galaxy Z Fold8 Ultraは、メインディスプレイに最大3つのアプリを分割表示し、さらにポップアップウィンドウを重ねられる。
分割領域のサイズを柔軟に変更できるほか、ポップアップも位置と大きさを自由に調整できる。ポップアップから分割表示への移行も滑らかで、8インチという限られた画面を小さなPCのデスクトップのように使える。

Pixel 11 Pro Foldも画面分割や、Android 17の「バブル」に対応する。ただし、フローティングウィンドウを自在に配置できるGalaxyと比べると使い方の自由度には差がある。
YouTubeや電子書籍アプリを立ち上げたまま、表示を外側の画面から内側へ引き継ぐ動作はどちらも滑らかだった。反対に内側から外側の方向へ、本体を閉じた後もカバー画面で続きを楽しむこともできる。表示の切り替えはGalaxyのほうがわずかに速く感じられたが、両機とも「必要なときだけ開く」というフォルダブルの基本体験はよく仕上がっている。



