テクノロジー

2026.08.31 12:00

先進ロボットを製造・運用できる国のランキング、世界上位25カ国

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地域エコシステムの密度という課題

米国のロボットメーカーには、もう1つ問題がある。少なくとも、数十億ドル(数千億円)を調達しながら、すべてを垂直統合できるわけではない企業にとってはそうだ。それが、エコシステムの密度がまるで足りないという問題である。

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「中国がとてもうまくやってきたことの1つは、必要になりそうなものをすべて1カ所に集めたことです」とリプハートは言う。「半径10キロほどの範囲に、カーボンファイバーからCNC加工(コンピューター制御の切削加工)、ベアリング、センサー、プリント基板まで、必要になりそうなものがすべて揃っています」。

集積が生む見返りは、当然ながら開発を回す速さだ。「何かを作っているとき、道を渡れば歯車を作っている人と話せますし、反対方向に行けばまた別の人がいます。すべてが広い国土に散らばっている場合とは、比べものにならない速さで動けるのです」。

ロボット製造の主要な都市圏クラスター上位10のうち、8つは東アジアにある。首位は深圳・東莞・広州で、エコシステムのスコアは90近い。米国内で最上位はベイエリアだが、世界では9位にとどまり、素材のスコアは32である。

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報告書による地域クラスターの上位20は以下のとおり。

(1)深圳・東莞・広州:87
(2)上海・蘇州・杭州:86
(3)東京・神奈川:80
(4)ソウル・京畿・蔚山:78
(5)北京(海淀+亦荘):74
(6)合肥・蕪湖:72
(7)名古屋・豊田:71
(8)新竹・台中・台北:70
(9)ベイエリア:70
(10)シュツットガルト・カールスルーエ:70

(11)ミュンヘン・アウクスブルク:68
(12)ボストン・ケンブリッジ:67
(13)チューリヒ・バーゼル:65
(14)アイントホーフェン・ブレインポート:63
(15)シンガポール:61
(16)ベステロース・ヨーテボリ:60
(17)オースティン:59
(18)ミラノ・ボローニャ・モデナ:57
(19)ピッツバーグ:57
(20)オーデンセ:56

米国の問題は、ロボット企業やサプライヤー、素材メーカーがまったくないことではない。問題は、それらが極端に散らばっていることにある。「必要な部品になりうるものは、米国にもたしかにたくさんあります。ただ、たいていはまったく別々の場所にあるのです」とリプハートは語った。「しかも、手元にあるものはたいてい非常に小規模で、選択肢も多くありません」。

明るい材料もある。前述のベイエリアがそうだ。デトロイト・アナーバーはクラスター準備度で世界21位、オースティンは16位、ボストンは12位につけている。

いずれも、エコシステムの密度を高めていく足がかりとしては十分に意味がある。ただし、そのためには政府の後押しや、場合によっては優遇策が要るかもしれない。

「たとえば、州によっては病院での実証や、道路や橋を造る現場でのフィジカルAIの実地試験を、もっとやりやすくすることが考えられます」とリプハートは言う。つまり政府は、需要の側でも規制の側でも関与できる。ロボットを実際の仕事の現場へ積極的に送り込むことで、米国が金では買えない工学的なフィードバックと学習データを生み出せるということだ。

これは中国のやり方とそう変わらない。中国では、ヒューマノイドロボットの多くを、中央から地方まで、さまざまなレベルの公的機関が設けた訓練施設が買い上げている。施設がロボットを買い、ロボットメーカーはそこで得られたデータを買い戻して自社ロボットを改良する。たしかに堂々巡りではあるが、産業を立ち上げるための起動装置にもなっている。

結局のところ、トンネルの出口に光は見えている。米国内メーカーにも望みはある。

「この差は十分に埋められます」とリプハートは言う。「ですから、怖がる必要はありません。これはむしろ、どこに力を注ぐべきかを決める助けになる情報です」。

OpenMindは、指数の全データセットとコードを公開する。「前提を変えて、いろいろなシナリオを試してもらってかまいません」とリプハートは語った。「私たちの狙いは、いま何が起きているのかを、もっとつかみやすくすることです。それだけです」。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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