欧州

2026.08.28 12:00

今世紀末までに欧州の森林火災の焼失面積は39%拡大 ドイツ研究所が警告

フランス南西部ボルドー近郊で発生した森林火災で焼失した土地。2026年7月30日撮影(Mohamad Salaheldin Abdelghani Alsayed/Anadolu via Getty Images)

フランス南西部ボルドー近郊で発生した森林火災で焼失した土地。2026年7月30日撮影(Mohamad Salaheldin Abdelghani Alsayed/Anadolu via Getty Images)

ドイツのポツダム気候影響研究所が主導し、ゼンケンベルク自然研究協会が協力した研究では、2100年までに欧州で森林火災によって毎年焼失する面積が、現在の平均と比較して39%増加する可能性があると推定された。

同研究は、高温、乾燥、強風といった気象条件の悪化に伴い、欧州全域で森林火災の発生頻度が高まっていると指摘した。また、山火事の影響を軽減するためには、予防、早期発見、消火活動の改善に加え、温室効果ガスの排出削減が不可欠だと警告した。

論文の筆頭著者であるポツダム気候影響研究所のマイク・ビリング博士は、今回の研究結果は、比較的小さい1.8度程度の温暖化であっても、焼失面積が広範囲に拡大する恐れがあることを示していると述べた。同博士は、温室効果ガスの排出量が増加し、地球の気温が約3.6度上昇すると、特に地中海沿岸地域や西欧、中欧の大部分で森林火災の発生頻度が上昇すると説明した。

欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」が運営する「欧州森林火災情報サービス(EFFIS)」によると、EUでは12日時点で約55万ヘクタールが焼失した。例年の同時期と比較すると約2.5倍に及んでいる。

論文の共著者であるポツダム気候影響研究所のキルステン・トニッケ博士は次のように述べた。「フランス、スペイン、ギリシャで発生した森林火災は、高温、乾燥、強風といった気象条件が消防隊員や資源にかける負担の大きさを示している。気候変動が進むにつれ、状況は深刻化し、山火事が一定規模に達すると、予防や消火活動で私たちが持つ能力の限界に達してしまう可能性がある」

論文の共著者であるゼンケンベルク自然研究協会のトーマス・ヒックラー博士は、欧州が森林火災対策への投資を増やせば、大きな効果が得られる可能性があると指摘した。他方で、同博士は、森林火災が深刻化した場合、鎮火能力が機能しなくなる恐れもあり、その限界点がどこにあるかはまだ分かっていないと説明した。「フランスで最近発生した記録的な山火事は、過去の経験から単純に推測することはできないことをはっきりと示した」

英エクセター大学のクレア・ベルチャー教授は、英国は今夏、山火事のリスクが極めて高い状況にあったと指摘した。同教授によると、エクセター大学の火災挙動予測システムが7月初旬にシステム構築以来最高水準の発火リスクを示した際、英国の大部分で史上2度目となる山火事警報「赤」が発令された。同教授は、7月の英国は、気温30度、湿度30%、風速毎時30キロという、山火事発生の条件とされる「30、30、30」基準を満たしていたと説明した。

筆者の取材に応じた世界資源研究所のサラ・カーター博士は、欧州は現在、地球上で最も急速に温暖化が進んでおり、特に南欧では壊滅的な森林火災が頻発していると指摘した。同博士は、効果的な山火事対策として、歴史的な水系を保全し、乾燥地帯では一度に大量の樹木を伐採することを避けるなど、「自然に寄り添った」森林管理手法が挙げられると強調した。カーター博士は、一部の地域では防火帯の設置や湿地の再生のほか、森林では単一樹種の植林を避けることも重要だと説明した。「草食動物の助けを借りれば、機械を使用することなく、自然な方法で森林を管理し、老木と若木の均衡を保つことができる」

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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