エヌビディアはどれだけのリスクを引き受けているのか
最も示唆に富む数字は5000億ドル(約79兆5000億円)ではない。プラットフォームを発表するにあたり、ジェンスン・フアンは「一部の案件では、エヌビディアがプロジェクトごとに慎重に評価した上で、機会の最大25%まで残存価値の裏付けメカニズムを提供する可能性がある」と書いた。この一文はプレスリリースには載っていない。テッククランチ(TechCrunch)とブルームバーグがそれぞれ拾い上げた。
修飾語に注目したい。「可能性がある」「最大」「機会の」「プロジェクトごとに評価」。チップを設計し、その交換時期を決める企業が、その問いに答える範囲に上限を設けているのだ。
所有か、レンタルか、それともトークン単位で買うか
契約に署名する前に、想定している耐用年数、つまりハードウェアが稼ぐと見込む年数を書き出し、それを1年短縮して計算し直してみるとよい。アマゾンは一部サーバーとネットワーク機器の想定耐用年数を6年から5年に短縮し、1年分の減価償却費を14億ドル(約2230億円)押し上げた。6年でないと成り立たない取引ならば、踏み抜く前にその弱点を見つけたことになる。
次に、推定ではなく実測した本当の利用率を突き止めるべきだ。所有の損益分岐点を下回るのなら、自社はコンピュート事業をしているのではない。ストレージ事業をしていることになる。そして貯蔵しているものは価値を失っていく。
コンピュートはいまや、この経済の原材料だ。だが原材料は通常、価値が公の場で発見される市場で取引される。この原材料の価格は、機械が自らの代金を支払えるだけの期間、稼ぎ続けるという信頼の上に成り立っている。
5000億ドル(約79兆5000億円)という規模は、市場がそれを真実であってほしいとどれほど強く望んでいるかを示している。だがそれはまだ、AIコンピュートがその額を稼ぎ出すかどうかの尺度ではない。


