欧州

2026.08.28 07:00

気球からスターリンク対応ドローンを投下 ウクライナが中距離攻撃で新戦術

小型の気球から投下されたウクライナのFPVドローン(無人機)とされる画像。ロシアの軍事ブロガーによる2026年8月12日のテレグラムへの投稿から

気球とFPVドローンを組み合わせたシステムは、FPVドローンの投下前に探知するのも容易ではない。気球とそれに取り付けられたドローンは比較小さく、しかも高高度を飛行するため、地上から目視で発見するのは難しい。また、気球はエンジン音のような顕著な音響シグネチャーも出さない。

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探知可能な電波などの放射のうち、主なものはスターリンク端末から発せられるものと考えられる。だが、こうした信号を特定して追跡するのは、従来のドローン操縦用通信リンクを探知するよりも難しい。したがってロシア軍は、FPVドローンが気球から分離して攻撃を開始するまで、ほとんど警戒する時間を与えられない可能性がある。

この方式はウクライナにとって、長期化する消耗戦において重要な要素である経済性の面でも望ましいものと言える。FPVドローンは、ホーネットのような専用の中距離システムに比べて格段に安価であり、生産数もはるかに多い。さらに、気球とスターリンク・ミニを合わせても、そのシステム全体のコストは専用設計のAI活用攻撃ドローンより大幅に低いだろう。この方式により、ウクライナはより多くのシステムを配備でき、同じ規模の投資で、ロシア軍の装備をより多く破壊できる可能性もある。

実質的な射程を伸ばしたFPVドローンがもたらす影響

この戦術の有効性が実証されれば、ウクライナはロシア軍後方の中距離目標に対する使用を拡大するだろう。ウクライナ南部では、メリトポリやマリウポリといった兵站拠点を通過するロシア軍の補給をさらに妨害し、現行の打撃作戦を強化できる可能性がある。

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ウクライナはまた、この戦術を戦線のほかの方面にも広げ、兵站経路、中間準備地域、指揮所などを攻撃目標にすることも可能だろう。ただし、この方式を長距離打撃作戦に適用するのはあまり現実的でない。ひとつには、距離が長くなるほど風速や風向きの不確実性が大きくなり、気球が意図した作戦地域に到達する時間や場所を予測するのは難しくなるからである。

ロシアも同様の方式を採用する可能性があるが、スターリンクを利用できないため、FPVドローンとの通信を維持するのに別の手段が必要になる。ロシア軍もFPVドローンを大規模に使用しており、ウクライナが考案したドローンの運用方法を自軍に取り入れることも繰り返してきた。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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