経営・戦略

2026.08.28 17:15

8月上場のエブリー、売上高1000億円は「十分に到達可能な目標」──ニューカマー100(第1回)

エブリー代表取締役社長CEOの吉田大成

━━今後3〜5年の中長期的な時間軸で、会社として目指すビジョンや収益構造について教えてください。

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吉田:主力であるMarketing Solutionビジネスの高い成長率を維持することが軸になります。前述の通り、販管費の増加は緩やかですので、3〜5年後のタイミングで営業利益率10%後半から20%をしっかりと達成していくことが、全体的な経営方針となります。

なお、中期計画の数値としては「デリッシュAI」などのtoC向け収益や新たなCRMビジネスの伸びについてはかなり保守的に見込んでいます。したがって、これらが立ち上がってくることによるアップサイドの伸びしろは大きいと考えています。

━━還元方針と株価に対する考えをお聞かせください。時価総額は現在(8月28日時点) 40億円台ですが、東証グロース市場の上場維持基準の見直し(上場から5年で時価総額100億円以上)を考慮すると、2倍以上に引き上げていく必要があります。

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吉田:株主への利益還元は非常に重要な経営課題と認識しています。ただし足元に関しては、成長資金の確保を優先するため無配を想定しています。今後、しっかりとキャッシュと利益を創出していく中で、明確なキャッシュアロケーションのもと、配当の実施についても検討を進めていきたいと考えています。

また、株価は市場の評価ですが、私たちができる唯一かつ最大のことは持続的な事業成長を証明し続けることです。しっかりと事業の成果で示していけば、自ずと評価はついてくると信じています。

私たちが向き合っている市場のポテンシャルは広大です。日本の食品・飲料メーカー大手100社だけでも、広告宣伝費市場で約0.7兆円、販売促進費市場で約1.5兆円、合計で2.2兆円の市場が存在します。このうち、世の中全体のデジタル化比率などを勘案すると、近い将来、少なくとも5000億円規模がデジタル化された広告・販促市場として立ち上がってきます。

この5000億円市場の中で20%のシェアを獲得することを目指しています。これだけで1000億円の売上規模を狙える計算です。既存取引先600社の中には、相当数の大手メーカーが含まれているので、既存顧客の単価アップとソリューション深化を進めるだけでも、十分に到達可能な目標だと確信しています。


エブリー◎2015年9月設立。「デリッシュキッチン」を中心とするレシピ動画メディアやデジタルサイネージを運営し、オンライン/オフラインの「食生活行動ビッグデータ」を構築。これらアセットを活用し、食品メーカー等の広告主向けにブランド・商品の認知向上や販売促進の支援を行うMarketing Solutionビジネス、アプリの有料課金サービスを始めとするコンシューマービジネスを展開。26年6月期決算は売上高が前年比18.2%増の50.2億円、営業利益が3.2億円、経常利益が3.1億円、純利益が4.2億円で黒字転換。今期は売上高16.5%増、営業利益63.3%増を見込む。

吉田大成◎2005年、ヤフーに入社。06年10月、グリーに入社。10年12月、同社執行役員、12年9月、取締役執行役員常務に就任し、日本事業全体を統括。15年9月、エブリーを創業。自社株の保有比率は22.34%(8月4日時点)。

取材・写真=眞鍋 武

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