経営・戦略

2026.08.28 17:15

8月上場のエブリー、売上高1000億円は「十分に到達可能な目標」──ニューカマー100(第1回)

エブリー代表取締役社長CEOの吉田大成

━━今後の成長戦略として、決算資料等で挙げている3点について詳しく教えてください。1点目が「顧客単価の拡大」ですが、最大の成長ドライバーになるのでしょうか。 

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吉田:顧客単価の拡大については、年間20社程度、ロイヤル顧客を増加させていくイメージをしています。前年度の実績をベースに翌年度の予算をお預かりする流れになるので、パイプラインで見てもそれくらいの増加が確実性の高いスピード感かなと。取り組む内容自体はシンプルで、まずは前述の通り広告効果の証明をしっかりと継続することです。

また、私たちはデリッシュキッチンのアプリ、ウェブ、SNSを活用した認知施策から、店舗内のデジタルサイネージを活用した販促領域まで、さまざまなソリューションを網羅しています。これらを複数組み合わせることで、より最適なマーケティング活動が可能になるので、実績とともにソリューションの活用幅を広げてもらい、出稿規模を上げていただく。

さらに、メーカーは複数の商品ブランドを持っているので、ひとつのブランドで成功したモデルを他のブランドへ水平展開していただく。これらによって、1社あたりの金額の最大化を狙っていきます。このMarketing Solutionビジネスは、当社の売上の大半を占めていますので、ここが伸びることが全社の成長に直結します。

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━━取引顧客数は過去3年間、600社前後で横ばいに推移しています。顧客数を大きく増やすより、単価アップに注力するほうが業績拡大につながると。

吉田:新規顧客数の緩やかな増加はあると思いますが、足元で最優先に注力したいのは、現在お取引のある600社の中での単価アップです。ロイヤル顧客はまだ80社にとどまっていて、単価を引き上げられるポテンシャルが非常に大きい。

もちろん、デリッシュキッチンのユーザーはご家庭をお持ちの方や、結婚・出産を機にファミリー層となった方が多いため、食品・飲料以外のファミリー向け消費財などを展開する企業へのアプローチも進めています。しかし、まずは足元の注力顧客である食品・飲料メーカーへのサポートをやり切ることが軸になります。

━━2点目の戦略である「生産性向上による収益率の改善」について、すでに販管費は抑えているとのことですが、収益率の改善余地はどれほどあるのでしょうか。

吉田:販管費の増加を年間数%程度に抑え、売上成長に対して販管費比率をどんどん下げていく方針です。大規模な人員拡張を行わなくても、現在の人員プラスアルファ程度で売上成長をカバーできるため、非常に強いレバレッジが利く構造になります。

また、生産性向上のためのAIに関しては、すでに全社的に導入しており、日常業務での利活用がかなり進んでいます。例えば、クライアント向けの購買効果分析や、マーケティング上流での市場リサーチ、カテゴリー分析といった作業は、従来であればデータアナリストが1〜2週間ほどかけて抽出・分析していたような高度なデータを、今では営業担当者が社内のAI基盤を使って15〜30分程度で作成し、提案に生かせる環境が整っています。こうした現場レベルでの生産性の劇的な向上は、非常に大きなポイントだと感じています。

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取材・写真=眞鍋 武

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