音楽

2026.09.10 16:15

地元と仲間を「世界」へつなげ 日本のヒップホップシーンを拡張する(Young Coco):30UNDER30

Young Coco|ラッパー、プロデューサー

地元と世界を横断する

兵庫県西宮市出身。地元のヒップホップ・コミュニティからキャリアを始める一方、初期から海外で主流だった音楽配信サイトDatPiffで楽曲を発表し、世界のリスナーに向けてファンベースを広げてきた。「世界のどこでも誰とでも曲をつくれるように、みんなが使用している機材の使い方を覚えた」と話すように、韓国のLoco、中国のHigher Brothers、ベトナムのJugg Ninoなど、アジア圏のラッパーとのコラボレーションも実現させている。

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こうしたローカルとグローバルを横断する活動は、グラフィックアーティストVERDYの目にとまった。24年にVERDY SOUNDSに所属して以降、香港マクドナルドとのCMコラボレーションや、オーディオブランドBeats by Dreとの共同プロジェクトへの楽曲提供を実現。一方で25年に神戸で行ったワンマンライブでは、入場無料かつ年齢制限なしの形式を取るなど地元への還元も続ける。

「VERDYは、僕たちの世代のNIGOさんみたいな存在。僕みたいなストリートのアーティストを世界とつなげてくれた影響は大きいですし、彼の背中を見て、自分も地元の街や仲間を世界へつなげていきたいと思いましたね」

その確信をさらに強めたのが、24年の世界的ヒップホップフェス「Rolling Loud Thailand」出演後のエイサップ・ロッキーとの巡り合いだった。

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「彼も昔からの友人たちと一緒に音楽を聴き、録音して遊んでいた。世界的なセレブでも、俺らとやっていることは変わらない。自分のスタンスは間違っていなかったと腑に落ちました」

Young Cocoにとって仲間とは、「オーディションで選ばれたわけじゃない、自分自身がありのままでいられる関係」だ。「チーム友達」も仲間内で実際に交わされていたスラングだったからこそ、国境を越えて共感を生んだのかもしれない。

今後、日本のヒップホップが世界へ向けて次の段階に進むためには何が必要なのか。Young Cocoの答えは「みんなでみんなの成功を祝うこと」だ。

「小さい島国で、“誰が嫌い、誰が下手”とか言い合っている時代じゃない。相手を競争相手としてだけじゃなく、同じシーンの仲間として認め合う。その感覚が、日本のヒップホップシーンが世界で大きくなるためには必要なんじゃないかな」


ヤング・ココ◎1997年、兵庫県生まれ。10代でキャリアをスタート。2024年には千葉雄喜の「チーム友達」にプロデュースとRemixで参加した。26年5月にはアルバム『SEDITION』をリリースした。

文=フガクラ 写真=帆足宗洋(AVGVST) スタイリング=ロキシー・アリス ヘアメイク=松田一志(PARKiiiNG)

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