経済・社会

2026.08.28 16:15

「よい企業」とは何か━━オーセンティシティだけで社会は変わるのか|社会イノベーションの最先端の教養 第7回

Arslan Haider - stock.adobe.com

「よい企業」とは何か

ここまで見てきたように、企業の社会への姿勢は、発言だけでは判断できない。掲げる価値観が、事業や調達、投資、人事といった本業の選択にまで表れているか。そのオーセンティシティが問われる。

advertisement

しかし、オーセンティックな企業が増え、消費者がそうした企業を選べば、それだけで社会が変わるわけでもない。価格や情報、選択肢には制約があり、企業や消費者の努力だけでは変えにくい市場や制度の問題も残る。

だから、「よい企業」とは、社会に対して常に正しい答えを示す企業ではないのだろう。むしろ、自らの事業が社会にどんな影響を与えているのかから目をそらさず、掲げる価値観と実際の行動のずれに向き合い、その結果に責任を持とうとする企業ではないだろうか。

企業のオーセンティシティを問うことは、企業一社の姿勢を見ることにとどまらない。その企業を取り巻く市場や制度、そして私たち自身が社会とどう関わるのかまで、視野を広げることでもある。

advertisement

関連記事

『ウォーク資本主義』との戦いのなかで、『よい企業』は何をすべきか」(フィリップ・ミルヴィス)
消費者はサステナビリティにお金を払うのか」(ポール・ライス)
買い物だけでは、サステナビリティを実現できない」(マーク・ルペール、ジアナ・M・エックハート)
無力ではない、私たちには力がある——大規模な行動への新たなアプローチ」(ジョー・マッキャノン)

「スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー」は、非営利団体、財団、企業、政府、関心を持つ市民など、世界中の社会変革リーダーによって、社会変革リーダーのために執筆されてきたグローバルマガジンです。2003年にスタンフォード大学内で創刊されて以来、グローバルおよびローカルな社会課題に取り組む多様なセクターの人たちが、これまでになかった新たなソリューションを見つけ、前進することを後押しする研究と実践に基づいた最高の知見を提供しています。日本版は大学院大学至善館インパクトエコノミーセンターが運営しています。
https://ssir-j.org/

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事