「よい企業」とは何か
ここまで見てきたように、企業の社会への姿勢は、発言だけでは判断できない。掲げる価値観が、事業や調達、投資、人事といった本業の選択にまで表れているか。そのオーセンティシティが問われる。
しかし、オーセンティックな企業が増え、消費者がそうした企業を選べば、それだけで社会が変わるわけでもない。価格や情報、選択肢には制約があり、企業や消費者の努力だけでは変えにくい市場や制度の問題も残る。
だから、「よい企業」とは、社会に対して常に正しい答えを示す企業ではないのだろう。むしろ、自らの事業が社会にどんな影響を与えているのかから目をそらさず、掲げる価値観と実際の行動のずれに向き合い、その結果に責任を持とうとする企業ではないだろうか。
企業のオーセンティシティを問うことは、企業一社の姿勢を見ることにとどまらない。その企業を取り巻く市場や制度、そして私たち自身が社会とどう関わるのかまで、視野を広げることでもある。
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