経営・戦略

2026.09.01 09:15

企業の防災訓練は形式だけが4割 安否確認や避難場所の認知も急減

AdobeStock(写真はイメージです)

安否確認や避難場所を知らない人も増加

一方、災害が実際に起きたときに重要になる情報については、認知の低下が目立つ。職場で災害が発生した場合の安否確認方法について、取り決めが「ある」と回答した人は47.1%。前回の74.5%から大きく減少した。

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また、避難場所を「認識している」と答えた人も約半数にとどまり、前回の約7割から低下している。

防災訓練は「形式だけになっている」が4割

では、社員自身は防災訓練をどう評価しているのだろうか。実際に職場で災害が起きた際、防災訓練で学んだ内容を「かなり活かせる」「少し活かせる」と答えた人は合わせて約8割だった。

その一方で、「防災訓練を活かせていない」と感じる点を聞くと、最も多かったのが「形式だけになっている」で41.9%だった。「説明のみのため実際のリスクを想像しづらい」「火災・地震など一部の災害にしか対応していない」といった回答も挙がったほか、「個人の役割がわからなかった」「全体の動きがわからなかった」とする声もあった。「形式だけになっている」は、第1回の調査から継続して最も多い回答となっている。

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3人に1人が会社の防災備蓄品を「知らない」

今回の調査では、新たに会社の防災備蓄品についても尋ねている。「防災備蓄品があることを知っており、保管場所も把握している」のは約4割。「存在は知っているが保管場所は把握していない」が約4人に1人だった。また約3人に1人は、会社に防災備蓄品があること自体を「知らない」と回答した。

防災訓練に「毎回参加している」「日程が合えば参加している」人は75.8%いるのに対し、防災備蓄品の存在を知っている人は66.7%。TSP太陽では、防災訓練の際にも会社の備蓄品について十分に周知できていない現状があると分析している。

「訓練をする」から「実際に使える訓練」へ

今回の調査では、「防災訓練の開催頻度」「防災訓練への参加意思」「参加人数」「安否確認方法」「避難場所の位置」の5項目で、前回調査を下回った。さらに注目したいのが、訓練を実施していても「形式だけになっている」と感じている人が4割を超えていることだ。自社だけでは訓練内容が固定化、形式化してしまうのであれば、防災訓練の運営経験を持つ外部事業者などの知見を取り入れ、想定や訓練内容そのものを見直すこともひとつの方法だろう。

今回の調査は、熊本県で最大震度7を観測した7月28日の地震より前に実施されたものだ。地震に伴うさまざまな被害が発生した熊本では、防災対策や訓練を見直す企業の動きを耳にするようになった。災害では、事前には想定していなかった事態が起こり得る。「毎年やっているから」という形式的な訓練ではなく、実際に何が起きるのかを想像し、必要であれば外部の知見も借りながら訓練そのものを更新していくことが、企業には求められるのではないだろうか。

プレスリリース

文=福島はるみ

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