マーケット

2026.08.29 09:30

モデルナ株が1年で440%急騰した理由と事前に見えていた兆候

diy13 - stock.adobe.com

モデルナはこの決算と合わせて、従業員のおよそ10%を削減すると発表した。さらに当時の経営陣の説明によれば、インティスメランにかかる費用の50%はメルクが負担していた。つまり、結果が出るまでの期間を、モデルナが費用を全額背負い込まずに乗り切れる態勢になっていたということだ。

advertisement

オプション市場は大きな値動きを見込まなくなっていた

2025年8月8日の時点で、モデルナのインプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される、市場が織り込む将来の値動きの大きさ)は、過去1年のレンジのうち下から12パーセンタイルの水準まで下がっていた。2025年7月初めには34パーセンタイルだったから、そこからさらに低下したことになる。

パーセンタイルが低いことは、強気の見通しを意味しない。方向が上か下かにかかわらず、平常時より小さな値動きしか市場が想定していない、ということを示すだけである。このときのインプライド・ボラティリティの水準は56.9で、パーセンタイルはモデルナ株自身の過去1年の推移だけを物差しに算出したものだ。

手がかりが語っていたこと

この1年で、モデルナ株のリターンはおよそ440%に達した。同じ期間のS&P500種株価指数のリターンはおよそ21%である。また、同じ期間にファイザーは18.4%上昇し、アルナイラム・ファーマシューティカルズは48.5%下落した。つまり、業種全体が見直された結果ではない。

advertisement

メラノーマのデータが公表されたあと、この株を空売り(ショート)していた投資家は、1日としては過去に例のない損失を被った。株価急騰に先立つ手がかりは、いずれもデータが届く1年以上前に記録されていた。そこに描き出されていたのは、結果そのものではなく、リスクの性質だ。患者登録は締め切られ、費用は分担され、市場は値動きに対価を払わなくなっていた。株価は現在145ドル前後で、52週高値・安値(過去1年間の株価推移範囲)22.36ドル~174.38ドルの上限に近い水準にある。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事