マーケティング

2026.08.27 08:24

ブランドが「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に立ち返るために必要な3つのテック戦略

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この夏、大ヒット映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の公開から41年が経った。マイケル・J・フォックスが見事に演じたマーティ・マクフライを覚えているだろうか。続編で彼は、社会を一変させる驚異的なテクノロジーに満ちた未来(2015年!)を私たちに見せてくれた。しかし、現実の未来へと進む途中で、おかしなことが起きた。私たちは、テクノロジーがすべてのニーズに答えを出してくれるユートピアにたどり着くことはなかったのだ。特にブランドオーナーにとってはそうだった。

マーケティングテクノロジー(マーテック)のスタックは膨れ上がり、より複雑になり、接続性は低下した。顧客データは、ECプラットフォーム、CRM、ロイヤルティプログラム、メディア、サービスシステムなどに分散してしまった。マーケターがこれに頭を悩ませる一方で、皮肉なことに、アルゴリズムやAI、自動化によって、膨大な数の顧客へのリーチは極めて容易になった。しかし、エンゲージメントを生み出すには消費者への理解が必要であり、ページ閲覧、クリック、カート投入を促進するにはエンゲージメントが必要だ。デジタルの未来が約束していたものが期待通りでなかったとすれば、マーケターはどうすれば本来機能する形に戻れるのだろうか。議論のためのいくつかのアイデアを以下に紹介する。

1. 自社のECに対して、より的確な買い物客に関する問いを立てる

ECはこれまでも、そしてこれからもマーケティングを変化させ続ける。大企業の場合、CRMへの投資は、月額ライセンス料を考慮に入れる前の初期設定だけで最大45万ドル(約7160万円)に達することがある。ただし、この投資計算自体は悪くない。Nucleus Researchによると、2023年のCRM導入は、投資1ドル(約1万未満円)あたり3.10ドル(約1万未満円)の投資収益をもたらした。それでも、成功が保証されているわけではない。

失敗にはあらゆる原因が考えられるが、よくあるのは組織全体への導入スピードが遅い、あるいは十分に浸透しないことだ。問題は、これが起きると、マーケターが消費者を真に理解し、それに基づいたマーケティング施策を打つために本当に必要なデータが、CRMプラットフォーム内にサイロ化(孤立)してしまうことだ。マーケティング計画にはCRMデータが使われ、サービスチームは他のアプリを使い、メディアチームは広告プラットフォーム向けに最適化を行う。これでは、同じ課題に対してあまりにも多くの異なる言語が使われていることになる。心当たりがあるなら、今こそ顧客データの監査を行うべきだ。以下の質問を自問してみてほしい。

• 消費者のブラウジング行動は、CRMのレコードに自動的に反映されているか?

• 自社のCRMは、単なる閲覧と本気の購買意欲を区別できているか?

• 商品の返品やカスタマーサービスでのトラブルが発生した際、それに応じてマーケティングメッセージが適切に変更され、追跡のアクションが実行されているか?

• ロイヤルティステータス、購買履歴、オンラインでの行動をシームレスに把握し、より詳細な顧客像を描くことができているか?

これらの質問に1つでも「いいえ」または「わからない」と答えたなら、CRMを単なる連絡先データベースから顧客インテリジェンスプラットフォームへと進化させるべき時だ。現代のCRMは、次に取るべき最善のアクションを判断するために、人間の行動データを絶えず吸収し続けなければならない。リアルタイムのデータ収集をサポートし、イベント駆動型のワークフローを提供し、AIを活用したオーディエンススコアリングとオープンAPIを備え、マーケティング、コマース、サービスの各チームが連携して行動できるプラットフォームを探すべきである。

2. ミドルウェアでマーテックスタックを簡素化する

デジタルマーケティングの「容易な未来」という約束を果たせなかったと感じる理由の1つは、大半の組織が、急速な変化に対応できる柔軟で適応力の高いテックエコシステムを意図的に構築してこなかったことにある。プラットフォームやアプリ、アドオンは、部門ごとのニーズや新たな取り組みに応じて、時間の経過とともに場当たり的に追加され、新しいテクノロジーが「ボルト留め」されるように接合されてきた。この考え方をリセットすべき時が来ている。増大する問題を解決するために、多額の資金を投じて新しいプラットフォームを導入したくなるかもしれないが、既存のテックスタックを連携させることこそが、より良い投資となる。

Folkloreでは、ミドルウェアの導入を強く推奨している。これはAPIを通じてテクノロジーを接続し、顧客データやビジネスロジックをアプリケーション間で流通させる戦略的な選択肢だ。この新たな柔軟性が重要となるのは、AIやアナリティクス、パーソナライズ技術の進化スピードが、硬直化したレガシーなエンタープライズ・プラットフォームの対応スピードをはるかに上回っているからだ。

現在、多くの先進的なブランドが「コンポーザブル・アーキテクチャ」を採用している。デジタルインフラをモジュール化されたコンポーネントに分割し、コンテンツ管理システム(CMS)、決済バックエンド、在庫追跡などを独立して動作させることで、比類なき機敏性を得ることができる。新しいソーシャルコマースチャネルや決済手段が登場すれば、それをプラグインするだけで済む。単一のコンポーネントが故障しても、エコシステムの他の部分は正常に機能し続ける。この柔軟性により、ブランドは四半期単位ではなく、わずか数日というスピードで消費者トレンドに対応できるようになる。

3. AIをコンテンツエンジンから意思決定の支援者へ変える

AIを、迅速なコンテンツ制作のためのショートカット(近道)としてのみ使うべきではない。確かにそれも役立つが、より大きな好機は、よりスマートなマーケティングやビジネスの意思決定を可能にするデータ、事実、インプットを収集することにある。コンバージョンに至る可能性が最も高い消費者をより的確に特定したり、製品の解約を事前に予測したりするためにAIを活用できるだろうか。また、時間、資金、リソースを投じて自社サイトにユーザーを誘導したとしても、サイト上での体験が不十分だったとしたらどうなるだろう。AIがマーケティングデータだけでなく、連携された顧客情報にもアクセスできれば、マーケティングプロモーションから、チェックアウト(決済完了)、その後のリマーケティングやサポートに至るまでのジャーニーを、よりシームレスにできるのではないだろうか。

次回のウェブサイト刷新計画では、ウェブ制作のパートナーが真に強力なテクノロジーパートナーであるかを確認してほしい。フロントエンドがブランド戦略と整合しており、バックエンドが効率性、サービス、そして一貫した体験の完結性(エクスペリエンス・クロージャー)を提供できているかどうかが重要だ。それこそが消費者を再び呼び戻し、現代においてどのマーケティング要因よりもモノを売る力がある「顧客体験(CX)」に基づいた、評判と紹介(レファラル)を生み出すのだ。

バック・トゥ・ザ・フューチャーへ

テクノロジーによって実現された新しい未来へと旅する者の問題は、私たちがどれほど進歩したかに圧倒されたり、今や何が実際に可能なのかに気を取られたりしやすいことだ。AIをはじめとするテクノロジーが急速に進化するなか、ブランドが真の成功を収めるために必要なのは、フロントエンドやスピード、販売手法への注力ではない。むしろ、重要なデータやインサイト、そしてバックエンドのテクノロジーアーキテクチャやデータ管理といった「地味な」要素が、これからの旅路をいかに力強く後押ししてくれるかという点にこそ、真の成功の鍵があるのだ。

forbes.com 原文

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