Cardinal40が発表した最新のレポートは、筆者が長年信じてきた「エグゼクティブによるソートリーダーシップは極めて重要である」という考えをデータで裏付けるものだった。
同レポートによると、CEOによる質の高いソートリーダーシップは、S&P500構成銘柄の中央値企業において、わずか1週間で平均3億6700万ドル(約584億円)の株主価値を生み出し得るという。
当社では、リーダーが自らの考えや専門知識を継続的に発信すれば、個人ブランドと会社の双方に利益をもたらすことを何年も前から認識していた。その影響をさまざまな方法で測定してきたが、それが株主価値に直接結びついていることを確認できたことで、エグゼクティブのブランド構築が重要な広報戦略である理由が改めて明確になった。
ソートリーダーシップが機能することはわかっており、それを証明するデータもある。
ソートリーダーシップはどのようにROIをもたらすのか
「しかし、当社はS&P500企業ではない。数百万ドル規模のROIは現実的ではない」と考える人もいるかもしれない。それは事実かもしれないが、ソートリーダーシップはなお測定可能な価値をもたらす。
第一に、強力な営業資料になる。見込み客が当社の専門性の裏付けを求めるとき、私たちは公開済みの記事を送る。著名な媒体が、掲載に値する知見を当社が持っていると認めているなら、それは私たち自身が何を語るよりも強い推薦となる。
ソートリーダーシップは、AI検索最適化にとっても重要な要素である。第三者によるコンテンツは、AI検索結果でブランドを高めるうえで最も影響力がある。B2Bバイヤーの半数が、リサーチの開始にGoogleではなくAIを使っている現在、大規模言語モデル(LLM)に自社ブランドを推薦してもらうには、ソートリーダーシップはもはや不可欠である。
さらに、資金調達や買収戦略も支援する。最近、当社はあるクライアントのCEOを、半導体チップ分野がAIのニーズに応えるためにどのように進化しているかを語る専門家として位置づけた。同社のシリーズA資金調達ラウンド直後に十分な報道を獲得したところ、初回ラウンドの投資家からシリーズBラウンドへの関心を示す連絡がすぐに入り始めた。
ソートリーダーシップのROIを最大化する方法
ソートリーダーシップの価値が確認された今、課題はそのプログラムの効果と効率をどのように最大化するかだ。テーマの選定、洗練された文章の執筆、掲載先の確保には時間と才能を要するため、賢明な投資が求められる。
その方法は以下の通りである。
明確な視点を持つ
多くのエグゼクティブは、誰かに反対されたり間違っていると思われたりすることを恐れ、自らの意見を公に発信することをためらう。しかし、これでは本質を見失っている。Cardinal40のレポートが説明しているように、株価のより強いリターンと結びついているのは、文章の質である。同レポートには、「CEOがソートリーダーシップの記事を発表するとき、それらの考察の質や表現の仕方は、いかなる事実情報からも独立した価値を創出する」と記されている。
言い換えれば、「正しい」ことや、最も当たり障りのない存在である必要はない。真の価値は、議論の場に加わることにある。目指すべきは、たとえ逆張りの意見であっても、自身のE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を示すことだ。
独創的であること
顧客が聞きたいのは、トレンドや機会に対するあなた自身の見解であり、Claudeの見解ではない。多くの専門メディアは、AIを使って執筆された形跡が少しでもあるソートリーダーシップの記事を受け付けない。
メディアに対する信頼がかつてないほど低下しているなか、読者は信憑性、独創性、そして実体験を渇望している。例えば、先述の半導体業界のクライアント企業のCEOは、機能する透明マントの実現可能性について博士論文を執筆していた。当社はこの切り口を活かして複数の企画を提案したところ、トップクラスのメディアがこのストーリーに食いついた。作り物ではなく、個人的で本物だったからだ。
見出しを練る際や校正に少し支援が必要な場合、独創的な文章を推敲するためにAIツールを使うことは問題ないが、コンテンツの下書きをAIに頼ってはいけない。文章が苦手だったり、時間的余裕がなかったりする場合は、有能なゴーストライターが、あなたの洞察を汲み取り、あなたの声を届ける素晴らしいパートナーになり得る。
定期的なペースを維持する
繰り返すことは、第一想起(トップ・オブ・マインド)を獲得するための鍵である。それは数学を学ぶようなものだ。解法の手順を何度も繰り返し見て、初めて定着する。
ソートリーダーシップも全く同じように作用する。ブランドを人々の記憶に定着させるには、繰り返し見てもらう必要がある。つまり、専門メディアや一般ビジネスメディア、ブログ、ポッドキャストなど、幅広い媒体やチャネルに頻繁にコンテンツを寄稿・発信し続けるということだ。
これが、当社のエージェンシーがPRの自動レポート・分析ツールを導入した理由の1つでもある。最初、私はそのツールのLinkedIn広告を目にした。次に、それが私のXのフィードに現れた。最終的に、私の特定の悩みにアプローチする形で、さまざまな場所に何度も表示されたため、私は「取り残されるのではないか(FOMO)」という不安を少し抱くようになった。そして、導入せざるを得なくなったのだ。
LinkedInを常に最新の状態に保つ
顧客はあなたの職歴には関心がない。彼らが関心を持つのは、あなたのスマートな見解や、興味深い観察、そして実体験である。
LinkedInにおける価値は、本物の人間関係を築くことから生まれる。つまり、ありのままの姿を示し、時には弱みを見せることも必要だということだ。人々はブランドから買うのではない。人から買うのだ。教訓に裏打ちされた個人的な逸話や失敗、苦闘を共有することで、親近感を持ってもらうことができる。
LinkedInで活発に活動し続けるのは非常に時間がかかるため、優先順位の最下位に落ちてしまいがちだ。PRチームは、エグゼクティブに投稿案を提供したり、承認されたコンテンツを代理で投稿したりすることで、その活動をサポートできる。
コンテンツを複数のチャネルで活用する
これは、より少ない労力でより大きな効果を得るための素晴らしい方法だ。同じテーマを扱いながらも、切り口や長さ、詳細度を変えて複数のプラットフォームで公開する。例えば、専門メディアへの寄稿から始まった1000語の署名記事は、LinkedInの記事やブログ記事に簡単に応用でき、さらにLinkedInの投稿として共有することもできる。掲載場所に合わせ、コンテンツや形式、長さを調整するのだ。
ソートリーダーシップがブランドの認知度、親近感、信頼性を高めることは、直感的に長年分かっていた。現在では、それをROIに直接結びつけることができるようになり、その重要性はさらに増している。
エグゼクティブを業界の専門家として発信することは、自社を注目すべき信頼できる企業として位置づけることにつながる。そうすることで、買い手が取引を決断する段階になったとき、あなたの提案は有力な選択肢として受け止められる。



