欧州

2026.08.27 10:00

ミサイル不足に陥るウクライナ 同型システムを持つギリシャからの供与は期待薄

ウクライナの首都キーウで、独立記念日を祝う軍事パレードで披露された地対空ミサイル「S300PS」。2021年8月24日撮影(Getty Images)

ウクライナの首都キーウで、独立記念日を祝う軍事パレードで披露された地対空ミサイル「S300PS」。2021年8月24日撮影(Getty Images)

ロシアによる軍事侵攻開始から4年半が経過した今、ウクライナはロシア軍の弾道ミサイルから都市や社会基盤を守るために不可欠な米国製防空システム「パトリオット」用迎撃ミサイルの深刻な不足に陥っている。米軍はイランへの攻撃でパトリオット用ミサイルを大量に消費し、補充には数年を要する見通しであることから、ウクライナは米国と共同でソビエト時代の地対空ミサイル「S300」の改良に取り組んでいる。北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるギリシャは、比較的近代的なS300の派生型である「S300PMU1」と、1990年代後半に取得した迎撃ミサイルを保有しており、ウクライナの防衛に役立つ可能性がある。だが、さまざまな理由から、ギリシャがこれらの備蓄をウクライナに供与する可能性は低い。

米CNNは17日、ウクライナのミサイル備蓄が憂慮すべきほど低い水準に達する中、同国のトウモロコシ畑に放置されたパトリオット用ミサイルが過去10週間発射されていないと報じた。ロシアによる侵攻が長期に及ぶ中、ウクライナはロシア軍が大量に使用するイラン製無人機(ドローン)「シャヘド」に対する費用対効果の高い防衛システムの開発で、世界を主導する地位を築いた。他方で、ウクライナは弾道ミサイルに対する防衛力の開発では大きく後れを取っており、ロシアはこの弱みに付け込んでいる。CNNの報道によると、ウクライナは7月、2022年5月以来最も多くの民間人犠牲者を出した。

ウクライナがこの重大な能力の溝を埋めるために取り組んでいる解決策の1つは、ソビエト連邦から引き継いだ旧式のS300を近代化し、これに搭載する新型ミサイルを開発することだ。米陸軍のロバート・ハミルトン退役大佐は5日、米公共放送(PBS)の取材で次のように答えた。「米国とウクライナは共同で、旧式または新型のS300を改良し、性能を向上させる取り組みを進めている。これにより、年末までには運用が開始される見込みだ。とはいえ、製造可能な数は年間100発か、せいぜい200発程度だろう」

2023年4月に米国、ドイツ、オランダから最初のパトリオットを受け取るまで、ウクライナは大規模で近代的なロシア空軍に対抗するため、S300に大きく依存していた。だが、S300の在庫も限られていた。

2022年後半、当時のウクライナのオレクシー・レズニコウ国防相は「S300は優れた性能を発揮している」と評価する一方で、同国がS300を製造しているわけではなく、備蓄を使用していることに懸念を示していた。同相はさらに、ロシア軍をけん制するために、ウクライナは他のS300運用国と追加のミサイルの提供を巡って交渉を進めていると説明した。

これに先立ち、スロバキアは自国が保有する唯一の「S300PMU」システムと、最大射程距離が約150キロとされる迎撃ミサイル「5V55U」約45発をウクライナに供与していた。ロシアによる侵攻開始当初から、ウクライナは1970年代後半と80年代半ばにそれぞれ導入された旧式のソ連製「S300PT」と「S300PS」を運用していた。

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翻訳・編集=安藤清香

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