欧州

2026.08.27 10:00

ミサイル不足に陥るウクライナ 同型システムを持つギリシャからの供与は期待薄

ウクライナの首都キーウで、独立記念日を祝う軍事パレードで披露された地対空ミサイル「S300PS」。2021年8月24日撮影(Getty Images)

欧州国際教育センター(CIFE)のジョージ・ツォゴプロス上級研究員は、当初キプロスが発注し、現在はギリシャが保有しているS300が近い将来ウクライナに渡る可能性は低いとみている。

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ギリシャ領海で最近発生した事件を受け、同国とウクライナの外交関係は緊張している。ギリシャ当局は5月、西部レフカダ島近海の上空を飛行するウクライナの無人機を発見した。これは、ロシア産原油を輸出する船舶を標的とするためにウクライナが派遣した可能性が高い。これを受け、ウクライナ外務省はギリシャに対する公式な謝罪に追い込まれた。

これについて、筆者の取材に応じたツォゴプロス上級研究員は次のように説明した。「この事件に加え、ギリシャ政府は、トルコとウクライナの友好関係が、海上無人機の共同製造を巡るギリシャとウクライナの協力の見通しに与える影響を懸念している(訳注:ギリシャとトルコは歴史的な対立関係にある)。ウクライナが提示する条件は、ギリシャの関心を引いていない」

ギリシャ政府は、ロシアの侵攻に反対する姿勢は変えていないものの、ウクライナを支援しても、同国が外交面や軍事面で「ギリシャの国益を優先する」ことにはつながっていないと判断した。ツォゴプロス上級研究員はこう続けた。「こうした背景から、ギリシャは自国のS300PMU1をウクライナに供与して、ロシアの怒りを買うことに慎重になっているようだ。欧州連合(EU)が現在、ロシアとの関係を再構築する方法を模索する中、ギリシャにはロシアとの関係を再び悪化させる動機はない」

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ギリシャが保有するS300を米国やノルウェーを経由してウクライナに移転する技術的な手段は確かに存在するものの、ツォゴプロス上級研究員は、ギリシャにとっての政治的な利益はほとんどないと指摘した。「さらに重要なのは、ギリシャがアキレスの盾計画によって自国の防衛部門を近代化するからといって、それとともにロシア製のシステムが無用になるわけではないということだ。近代化には時間がかかり、ギリシャは短期的または中期的にこれらのシステムを退役させる準備ができていない。同国の優先事項は、トルコに対する抑止力に根ざした国家安全保障の確保だ。これが、ギリシャがこれまでS300PMU1をウクライナに供与しなかった主な理由だ」

他方で、同研究員は、将来的にはギリシャがS300を別のシステムに置き換える可能性があるとみている。「唯一の救いは、ギリシャがロシアの反応に対処する必要がなくなるという点だ。ただし、現時点ではその予定はない。当面の間、この問題に関してギリシャとウクライナが限定的に協力する可能性は排除しない。とはいえ、これは主にウクライナの姿勢次第であり、ギリシャでは現在、同国の姿勢が試されている」

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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