欧州

2026.08.27 10:00

ミサイル不足に陥るウクライナ 同型システムを持つギリシャからの供与は期待薄

ウクライナの首都キーウで、独立記念日を祝う軍事パレードで披露された地対空ミサイル「S300PS」。2021年8月24日撮影(Getty Images)

米紙ニューヨーク・タイムズは2023年4月上旬、当時のウクライナの防空体制の89%を占めていたS300と地対空ミサイル「ブク」は、1カ月以内に枯渇する見通しだと伝えた。ウクライナにとって幸いなことに、より高性能なパトリオットが同時期に配備され始め、同国軍はこれを直ちに実戦に投入した。それから3年以上が経過した現在、パトリオットも枯渇の危機に瀕しており、ウクライナがいつ適切な代替システムを入手できるのか、あるいは迎撃ミサイルのライセンス製造を国内でいつ開始できるのかは不透明だ。

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ウクライナは、S300を保有する同盟国から、同システムで使用する迎撃ミサイルが補充されることを期待している。ノルウェーは2025年後半、ウクライナ向けのS300向け迎撃ミサイルの費用を負担することに合意した。これが適時に補充されれば、ウクライナが現在開発中の改良型迎撃ミサイルを実戦に投入するまでの時間を稼ぐことができるだろう。

1990年代後半の奇妙な出来事として、ギリシャはS300PMU1システム2基と5V55Uミサイル175発を取得した。これらは当初、キプロスがロシアに発注したものだったが、これを巡ってトルコとの間で緊張を招いたため、納入されなかったものだ。ギリシャはその後、2013年に南部クレタ島で同システムの実射試験を行い、イスラエル空軍にこれを標的とした訓練を実施することを許可した。同軍は最近、有人戦闘機を1機も失うことなく、イランの「S300PMU2」システムを破壊した。

ギリシャは依然として相当数の運用可能な5V55Uミサイルを保有しているとみられる。これを入手できれば、ウクライナは間違いなく歓迎するだろう。ノルウェーも費用を負担する用意があるだろう。だが、2022年のロシアによる侵攻開始以来、ギリシャはウクライナを支援してきたものの、S300の移転には消極的な姿勢を見せている。さらにロシアはギリシャに対し、同システムを第三国に移転するにはロシアの承認が必要だと警告した。当然のことながら、同システムのウクライナへの移転を認める意向はロシアにはない。

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ギリシャは7月、無人機から弾道ミサイルに至るまで、さまざまな脅威から国を守ることを目的とした多層防空計画「アキレスの盾」のために、主にイスラエル製のシステムに最大40億ドル(約6400億円)を投じることを決定した。キプロスはS300を入手できなかったが、2025年に弾道ミサイル迎撃能力を備えた高性能な防空システム「バラクMX」をイスラエルから取得した。

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翻訳・編集=安藤清香

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