アバクロンビー・アンド・フィッチの株価が米国時間8月26日に急騰し、1年半ぶりの高値を付けた。同日発表された第2四半期決算では1億ドル(約159億円)規模の関税還付によって営業利益が大幅に押し上げられたことが明らかとなり、これが市場に好感された。
株価34.8%高、関税還付159億円が営業利益を押し上げ
アバクロンビーの株価は取引終了45分前の時点で34.8%高となり、2025年1月以来の高値水準に達した。
決算報告によると、アバクロンビーは約1億ドル(約159億円)の関税還付を受け、営業利益は前年同期の2億700万ドル(約331億円)から2億5300万ドル(約405億円)へと急拡大した。
EPS(1株あたりの純利益)は4.17ドルとなり、ファクトセットがまとめた市場予想の1.99ドルを大きく上回る結果となった。
また、第2四半期の売上高は前年同期比5%増の13億ドル(約2100億円)を記録している。
連邦最高裁がトランプ関税を退け、国際貿易裁が還付を受ける権利を認めた
今年初めに連邦最高裁判所がトランプ政権による「リベレーション・デー関税」を違法とする判決を下したことを受け、国際貿易裁判所は、すでに関税を納付した米国企業には還付を受ける権利があるとしていた。
アバクロンビーは2025年に9000万ドル(約144億円)の関税関連費用を計上しており、これが通期の営業利益率見通しを1.7%引き下げる要因となっていた。この費用は同年の純利益全体の約16%に相当する規模だった。
同社は第3四半期にも2000万ドル(約32億円)の関税還付を受け取ると見込んでいる。
アバクロンビーは通期の営業利益率の予測値も引き上げており、14.5%から15%の範囲になるとの見通しを示した。
米小売大手の還付は、1週間で約8000億円
8月に入って関税還付を報告した米国企業はアバクロンビーだけではない。先週だけでも米国の小売各社から総額50億ドル(約8000億円)以上の還付が報告されたが、そのうち29億ドル(約4600億円)を占めたのがウォルマートだ。他にもターゲットが9億9400万ドル(約1590億円)、ホーム・デポが7億3000万ドル(約1168億円)、TJ MAXXを展開するTJXカンパニーズが3億3100万ドル(約530億円)の還付を受けたことを明かした。
多くの小売企業はこれらの還付金を消費者に還元するのではなく、再投資に充てる意向を示している一方で、ウォルマートは還付金の大半を販売価格引き下げに充てる方針を明らかにしている。コストコも同様の対応をとる予定だが、同社が受け取った還付金の具体的な金額はまだ明らかになっていない。



