北米

2026.08.27 07:00

AIデータセンター建設に反発、米国で現代版「ラッダイト運動」が起こる

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全米で500件超の「データセンター禁令」

筆者が移り住んだテキサス州も、ほかの州と同様に、こうした反発の声に耳を傾けている。グレッグ・アボット知事は新たなデータセンターの建設を禁止していないが、一連の指示を出した。そのなかでは、新規プロジェクトに関して▽必要な電力を自ら確保すること▽必要な水も自ら供給し、再利用すること▽たんに電力網から電力を引き出すのではなく、電力網に発電能力を追加すること▽住宅地から離れた場所に建設すること▽州による経済的な優遇措置を受けないこと──などを求めている。また、州の公共事業委員会と電力網運営機関のテキサス電力信頼性評議会(ERCOT)に、進められているデータセンター事業すべてについて監査を行うことも命じた。

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全米ではどうなっているか。これまでに、データセンターの建設自体を差し止めたり制限したりする措置が500件超も出されている。

筆者は、こうした全面的な「データセンター禁令」は過剰反応だと考えており、アボットの対応を支持している。州による優遇措置や補助金を打ち切ることを含めてだ。

誰もが誤解している電力事情

不都合な真実は、データセンターについて多くの人が信じていることは、端的に言って成り立たないということだ。

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まず、電力から始めよう。広く思い込まれているのは、データセンターのせいで電気代が上がるというものだ。だが、最近のある研究によると、むしろデータセンターのおかげで、全米の平均小売り電気料金は2015年から2024年の間に小幅ながら押し下げられていた。理屈は単純だ。電力システムには莫大な固定費がかかるが、電力会社は24時間安定した需要を生む大口顧客を迎えれば、その固定費をより多くの販売量に分散できるのだ。

これとは別に非営利組織のUSAファクツが行った調査でも、ある州のデータセンター設備容量と住宅向け電気料金の変動幅との間に、統計的に有意な関係は認められなかった。テキサス州とバージニア州は米国でデータセンター容量が最も多い2州だが、電気料金の上昇幅は全米平均よりも小さかった。

では、なぜ電気代が高騰していると誰も彼も感じているのか? ありていに言えば、実際に上がっているからだ。2021年から2025年までに、住宅向け電気料金は名目ベースで27%上昇した。ただしインフレ調整後では、上昇率は7%にとどまる。

電気代は確かに上がった。だが、それ以上に米ドルの価値が下がったということだ。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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