ほとんどの人は、足の小指についてあまり深く考えることがない。何かにぶつけたり、あるいは、写真などで見て、他の指と比べて小さく、やや曲がって見えることに気づかないかぎりは。
気づいた時には、たいてい同じようなことを考える──足の小指は「未完成」、すなわち、体がそれを取り除く作業の途中で止まってしまったように見える、と。その直感は、人々が自身の体の構造について抱いている、他の多くの直感よりは真実に近い。とはいえ、彼らが想定している理由とは少し異なる。
足の小指が興味深いのは、そのサイズが小さいことよりも、人によってばらつきが大きい点にある。足の親指は、誰でもほぼ同じ仕様でできている。なぜなら、生きるために歩いたり走ったりする動物にとって、親指のつくりが安定しない足は、深刻な弱点になったはずだからだ。
一方、足の小指のつくりは、親指よりはるかに大きなばらつきを許容している。2018年に『Surgical and Radiologic Anatomy』誌に発表された研究において、成人900人以上の足のX線写真を調査した結果、約10人に4人の割合で、足の小指(第5趾)の骨3本のうち、つま先に近い2本が癒合して一つの骨になっていることが明らかになった。この割合は集団によって大きく異なるが、第4趾(薬指)では同様の癒合ははるかにまれであり、第3趾(中指)ではほぼ見られない。
生物学において、この種のばらつきは、それ自体が手がかりだ。生存にかかわる特徴は、均質に保たれる。その設計から逸脱した個体は、代償を支払うことになるからだ。設計に緩みが生じているということは通常、その代償を支払う必要がなくなったことを意味する。
足の小指は、なぜ重要性を失ったのか
チンパンジーやゴリラの足の見た目は、ヒトの足というよりは手に近い。足指は長く湾曲し、親指は大きく横に開いて、木の枝を包み込むようにしてつかむことができる。それより外側にある残りの指は、木の上で重い体を支えるという役割をしっかりと果たせる。
2018年に『Journal of Experimental Biology』誌に発表されたレビュー論文は、ヒトの足がいかに異なる構造をしているかを明らかにしている。同時に、「登るか歩くか」で、歩く方向へ進化したという従来の見方について、エビデンスが実際に裏付けている進化の過程は、それほど単純ではないとの主張を展開している。
はっきりしているのは、ヒトの系統が「つかむための足」を放棄したということだ。土踏まずのアーチは硬くなった。親指は、他の指と同じように前方を向いて、蹴り出しを担うようになり、他の指ははるかに短くなった。この最後の変化については、単なる仮定ではなく、実際に検証がなされている。2009年に同じく『Journal of Experimental Biology』誌で発表された研究は、裸足で歩いたり走ったりする人を測定している。その結果、足の指が長いほど、指を曲げる筋肉が、より大きな力と仕事量を必要とすることが明らかになった。これは、進化の過程において、自然選択が見逃さないタイプの「ランニングコスト」にあたる。足の最も外側にある小指は、足の再編成において、最も多くを失い、また最も得るものが少なかった。なぜなら、足のいちばん端に位置し、推進力への寄与もわずかで、何かをつかむこともないからだ。



