マイクロンテクノロジーは、人工知能(AI)の広がりに欠かせないメモリーとデータストレージを手がけている。この1年、市場はこの銘柄を大きく評価し、トレンドの強さで米大型株の上位1%に押し上げた。
しかし、力強い上昇がいつまでも続くわけではない。買いを検討する人は誰しも、モメンタム(株価の押し上げ・押し下げの勢い)につきもののジレンマに向き合わざるをえない。これは次の上昇に向けた小休止なのか。それとも、好材料はすでに株価に織り込まれてしまったのか。
この問いは、いまとりわけ切実だ。株価は高値を更新できずにおり、52週高値を20%ほど下回る水準にある。直近1カ月の高値からも4%ほど下げていて、値崩れが最近のものであることがわかる。ここに典型的な悩みどころがある。実績のある勝ち組が、絶好の買い場を提供しているようだ。ただしそれが本当に買い場であるのは、上昇を支えてきたエンジンがなお動いている場合に限られる。
事業のエンジンはフル稼働している
マイクロンの勢いは、当て推量に支えられているわけではない。いまの市場でも屈指の強さを持つ事業の土台が、それを押し上げている。直近12カ月の営業利益率は66%と目を見張る水準で、S&P500構成銘柄の中央値である18.4%を大きく上回る。営業キャッシュフロー・マージン(営業活動で稼いだ現金が売上高に占める割合)も57%と同じ水準を保っており、市場の中央値22%の2倍を超える。
この高い収益性を支えているのは、急増する需要だ。売上高は直近1年で167%増えた。この規模の企業でこれに並ぶ成長率を出せるところは、ほとんどない。需要の急拡大は、AIがメモリーをいくら使っても飽き足らないことの直接の結果だ。
さらに重要なのは、経営陣がこの半導体業界特有のシクリカル(景気循環的)な業績変動を和らげようとしている点である。同社は複数年にわたる戦略的顧客契約(SCA、特定の大口顧客と結ぶ長期の供給契約)を16件確保した。これらは「私たちのビジネスモデルを根本から変えるものです」と同社は述べている。いずれも「テイク・オア・ペイ契約」、つまり顧客が製品を引き取らなくても代金を支払う義務を負う形で組まれており、主要顧客からの需要を確実なものにする。



