中国で苦戦するウーバー 地元企業「滴滴快的」に敗退

Photo by Oli Scarff/Getty Images

配車サービスのウーバーは、中国における同社のライバル滴滴快的(ディディ・クアイディ)との戦いに敗れ去ろうとしている。

ディディ・クアイディの時価総額は160億ドル(約2兆円)。ベンチャーキャピタルからの資金調達額は40億ドル(約5000億円)に達する。同社は先日のリリースで、中国の259都市の全てでトップシェアを獲得した主張した。同社の北京でのシェアは90%で、1日の予約数は100万人を超えるという。

ディディ・クアイディは10省の100都市以上で損益分岐点を超えたと報告し、採算面でも改善がみられることを主張した。ただし、これは稼働している都市の半分にも満たない。ウーバーが今年9月に、来年新たに100都市で事業を始める計画を表明したのに対し、滴滴快的は今後3カ月で400都市に拡大することを計画。企業戦略担当の副社長スティーブン・ジューは「早期に中国の全都市でサービスを提供したい」とコメントした。

ディディ・クアイディとウーバーチャイナ(米ウーバーから独立して現地で運営されている)は、数億ドルの補助金を投じて中国人ドライバーを自分たちの陣営に引き入れようとしている。ディディ・クアイディを支援するのはアリババやテンセント。一方でウーバーチャイナは百度(バイドゥ)がバックについている。ウーバーは時価総額500億ドル、資金調達額70億ドルを超える世界企業だが、中国では苦しい戦いを強いられている。

調査会社 Analysys International の先月のリポートによると、ディディ・クアイディの中国の配車市場でのシェアは83.2%と、16.2%のウーバーを大きくリードしている。

編集=上田裕資

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