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働き方

2026.08.26 07:26

従業員のウェルビーイングを決める「信頼」という土台

Adobe Stock

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経済的な不確実性、AIによる破壊的変化、そして絶え間ない組織再編のなかで、リーダーたちはレジリエンス、生産性、そして従業員のウェルビーイングに多大な投資を行っている。しかし多くのリーダーは、福利厚生制度やリーダーシップの取り組み以上に、これら3つの要素すべてに影響を与える可能性のある要因を見落としている。それが「信頼」だ。信頼は、単なる組織文化のスローガンではない。従業員のウェルビーイング、エンゲージメント、そして組織のレジリエンスを測る最も強力な指標の1つになりつつある。

過去10年間で、政府やメディアなどの機関に対する信頼が低下した一方で、雇用主に対する信頼は上昇している。「2026年エデルマン・トラストバロメーター」によると、「自分の雇用主」に対する信頼は、政府に対する信頼を25ポイント、ビジネス全般に対する信頼を14ポイント上回っており、雇用主は従業員が依然として確信を持って頼りにできる数少ない存在の1つとなっている。

その信頼は、単なる評判という無形資産にとどまらない。筆者の会社が最近実施した調査によれば、「組織への信頼が高い従業員は、信頼が低い従業員に比べて、良好なウェルビーイングを実感する可能性が約6倍高い」ことがわかった。つまり、従業員が最も信頼している組織そのものが、彼らがどれほど良い状態で働けているかにも、極めて大きな影響力を持っているのである。

信頼を「ウェルビーイング」と「事業」の必須課題として捉え直すべき時

長年、信頼はリーダーシップの課題として扱われ、ウェルビーイングは人事部の領域とされてきた。しかし最新のエビデンスは、これらを切り離して議論すべきではなかったことを示している。

信頼はあまりにも漠然としており、ウェルビーイング・プログラムの範囲外にあると見なされがちだった。しかし、新たなデータはこの前提を真っ向から覆している。信頼はウェルビーイングの単なる付随要素ではなく、最も強力な原動力の1つであり、あらゆるウェルビーイング戦略の中核要素として扱われるべきなのだ。

筆者の会社の調査では、役割、職種、企業を一定条件としたうえでも、信頼がもたらす影響は変革的であることが示された。組織に対して高い信頼を寄せている従業員は、そうでない従業員に比べて、良好なウェルビーイングを実感する可能性が約6倍高かった。信頼はより良い結果をもたらすだけでなく、従業員体験そのものを根本から変えるのだ。

筆者らの調査では、信頼と仕事へのエンゲージメントとの関係性はさらに顕著だった。「信頼度の高い従業員は、信頼度の低い従業員に比べて、高いエンゲージメントを示す可能性が27倍高い。これは27%の差ではなく、27倍の差である」

この傾向は一貫しており、説得力がある。信頼が高い場所では、ウェルビーイングとエンゲージメントが後からついてくる。信頼は、健全な組織の「副産物」ではない。それは健全な組織が築かれるための「土台」そのものなのだ。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌も、高い組織的信頼がもたらす追加的なメリットについて、極めて一貫した知見を伝えている。信頼度の高い組織の従業員は、より生産的で、仕事への活力に溢れ、慢性的なストレスや燃え尽き症候群に苦しむことが少なく、人生の満足度も高い。これらの要素こそが、組織の業績向上を後押しするのだ。

信頼は「配慮」と「サポート」によって築かれる

組織における信頼の価値を認識すると、重要かつ実践的な問いが浮かび上がる。信頼は実際にどのようにして築かれるのだろうか。筆者らの調査データは明確な答えを示している。

組織に対する信頼を示す最も強力な予測因子は、報酬や勤続年数、役割ではなかった。それは、従業員が「不確実な状況下でサポートされている」と感じているかどうかだった。

・「十分にサポートされていると感じている従業員の96%が、組織に対して高い信頼を寄せている」

・「まったくサポートされていないと感じている従業員で、組織に対して高い信頼を寄せている割合は、わずか5%にとどまる」

明らかに、サポートは組織による配慮の最も明確な表現であり、配慮こそが信頼の通貨である。従業員は、組織が「ウェルビーイングを重視している」と言葉で主張するから信頼するのではない。特に不確実な時期に、一貫したサポートを実際に体験することで信頼を築くのだ。

言い換えれば、信頼はメッセージの発信ではなく、従業員が「本当に大切にされている」ということを示す日々の行動を通じて勝ち取るものである。

あらゆるウェルビーイング戦略に信頼を取り入れるべき理由

信頼とウェルビーイングのつながりは、MetLifeの「2025 Employee Benefit Trends Study」でも裏付けられている。同調査では、雇用主を信頼し、配慮されていると感じている従業員は、そうでない従業員に比べて、包括的に健康であると回答する割合が約4倍も高かった。このように、信頼は従業員が配慮をどのように受け止めるかを左右する重要な要素であり、その配慮がひいてはより良好な健康状態をもたらす。

ウェルビーイング・プログラムは、以下のような取り組みを一貫して行うことで信頼を構築する。

・従業員の身体的、精神的、および経済的なウェルビーイングに対して有意義なサポートを提供し、行動で配慮を示す。

・危機への事後対応だけでなく、予防、レジリエンス、日々のウェルネスを通じて長期的な健康に投資する。

・従業員のフィードバックを意味のある具体的な行動へとつなげる。

個々のサービスや福利厚生を超えて、ウェルビーイング・プログラムは従業員にとって重要な意味を持つ。特に不確実性や変化の時期においてはなおさらだ。誠実な意図を持って設計され、実行されるウェルビーイング・プログラムは、組織が従業員を心から大切にしているという、一貫した最もわかりやすいシグナルの1つとなる。

これは、ウェルビーイング・プログラムをどのように理解し、評価すべきかを示唆している。それらは単に福利厚生を提供するだけの手段ではない。役職や階層、直面する課題に関わらず、従業員が活躍できるようにするための、信頼、サポート、配慮を築くための戦略的手段なのだ。

おわりに

先行きがますます不透明になる将来に備え、従業員をどのように支援すべきか、組織はしばしば頭を悩ませる。不確実性を完全になくせるリーダーはいないが、そのなかで従業員がサポートされていると感じられるかどうかは、すべてのリーダーが影響を与えられる。熟慮されたウェルビーイング戦略は、組織がそのサポートを示す最もわかりやすい手段の1つだ。それによって信頼を築き、ウェルビーイングを強化し、従業員が適応し、力を発揮し、成長するのを助けることができる。

絶え間ない変化が当たり前となった職場において、信頼は組織が行うことのできる最も価値ある投資かもしれない。一貫した配慮とサポートを通じて意図的に信頼を育む組織こそが、レジリエンスとエンゲージメントの高い従業員を育成するうえで、より有利な立場に立つことになるだろう。

forbes.com 原文

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