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2026.08.26 08:00

深刻化する世界の銅不足 供給が需要の伸びに追いつかず、各国の争奪戦が激化

Getty Images

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銅価格は昨年、40%以上急騰し、今年に入ってからも過去最高値を更新し続けている。これは旺盛な需要を反映しているとともに、供給不足を浮き彫りにしている。青銅器時代から不可欠な金属として利用されてきた銅は、現代社会でも極めて重要な役割を担っている。銅が広く求められる理由は、熱伝導性や電気伝導性、可鍛(かたん)性、耐食性といった特性にあり、幅広い産業で代替が困難な素材となっている。

銅は人工知能(AI)や電気自動車(EV)、電力網など、さまざまな産業で用いられている。銅は技術革新と経済成長の基盤であり、これらの産業の急速な発展に伴い、需要は増加の一途をたどっている。銅の需要は2050年までに50%増加するとの見方もある。一方、産出国は供給の拡大に苦戦している。産出国が需要の増加に対応できない場合、どのような事態が生じるのだろうか?

需要の伸びに追いつけない銅の供給

世界最大の銅産出国である南米チリの埋蔵量は約1億8000万トンに上り、世界全体の18%を占めている。需要増加の兆しがあらゆる分野で見られるにもかかわらず、チリはその機会を十分に生かし切れていないようだ。同国が直面している課題は埋蔵量そのものではなく、経済的なものだ。世界最大級の鉱山会社であるチリの国営銅公社コデルコは先月、向こう数年間は銅生産量が横ばいになるとの見通しを発表した。世界最大の銅生産量を誇るチリのエスコンディダ鉱山では、鉱石品位(鉱石の銅含有率)が1.02%から0.9%に低下したため、直近の会計年度の生産量が3%減少した。スペンス鉱山を含む同国のパンパノルテでは、採掘が地質学的に複雑な鉱床に移行したことで、生産量が21%減少した。

鉱石品位が低下すると、鉱山会社は同じ量の銅を生産するためにより多くの岩石を処理しなければならず、生産を維持するために必要なエネルギーや資本、設備が増大する。一方、鉱床が複雑化すると、より深い地下での操業や、高度な採掘方法を採用する必要が生じる。崩落事故や地震への懸念から、コデルコは今月初め、1世紀以上にわたり操業を続けてきたエルテニエンテ鉱山の拡張計画を中断せざるを得なくなった。

銅の生産量を短期間で増やすのは容易ではない。新たな鉱山を開発するには15年以上を要し、莫大な費用がかかる。大規模なプロジェクトでは、年間生産能力1トン当たり3万~4万ドル(約480万~640万円)の費用がかかることもある。新たな供給源を速やかに確保できない中、いかに需要を満たすかが課題となっている。国際エネルギー機関(IEA)は、需要の増加に伴い、銅の供給量は2035年までに25%不足すると試算している。

チリでは、前述の地質学的課題に加え、銅開発への投資に消極的な姿勢が見られる一因として、同国のリチウム産業の強さが挙げられる。チリ、アルゼンチン、ボリビアの3カ国は、世界全体のリチウム確認埋蔵量の半分以上を保有しており、リチウム産業の魅力が、銅生産の拡大に必要な資金や資源、そして関心を奪っているようだ。

チリの左派ガブリエル・ボリッチ前大統領は2023年、既存の契約は尊重するものの、同国に埋蔵するリチウム資源の将来の開発については、国の主導権を強化すると発表した。この発表に加え、新たな取り決めや政府が目指していた官民連携の条件に関する不確実性が、投資家を動揺させた。しかしその後、官民連携の条件が明確化されると、商業的な関心は再び高まった。

一方、3月に就任した右派のホセアントニオ・カスト大統領は、鉱業部門への投資誘致、規制や許認可手続きの簡素化、探鉱の促進、中小規模鉱山事業の支援、水関連設備の改善などを公約に掲げていたが、同政権がチリの鉱業部門全体、特に銅産業の存続にどのような影響を与えるのかは、今後の展開を見守っていく必要がある。

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翻訳・編集=安藤清香

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