米国時間8月25日、ディックス・スポーティング・グッズの株価が時間外取引で16%以上急落し、過去数年で最大の下落率を記録した。米国の「厳しい」市場環境を理由に、競合に続いて同社も市場予想を下回る決算を発表したことが背景にある。
25日の取引序盤、ディックスの株価は16.9%安の149ドルをつけた。2023年8月22日(24.1%減)以来で最大の下げ幅を更新する勢いだ。
ディックスが25日に発表した四半期決算は売上高が55億9000万ドル(約8944億円)、EPS(1株あたりの純利益)が3.53ドルとなり、ファクトセットがまとめた市場予想の売上高56億4000万ドル(約9024億円)、EPS3.76ドルをそれぞれ下回った。
傘下のスニーカー専門店「フット・ロッカー」の既存店売上高が3.6%減少したことを受け、ディックスはその売上見通しを2%減へと下方修正した。さらに、グループ全体の年間売上高の見通しについても、従来の221億〜224億ドル(約3兆5400億~約3兆5800億円)から、219億〜222億ドル(約3兆5000億~約3兆5500億円)の範囲へと引き下げている。
この背景として、ディックスは「スポーツ用フットウェアおよびアパレル市場の厳しさ」を挙げている。ローレン・ホバートCEOは声明の中で、現在は「より慎重な見方をしている」一方で、事業そのものの強さやフット・ロッカーがもつ「長期的な事業機会」には依然として「強い自信」を持っていると述べた。
25日の急落以前にも、ディックス株は年初来で10.4%下落していた。
ディックスの競合にあたるロンドン市場に上場するスポーツ小売企業、JDスポーツ・ファッションの株価も、先週の決算で北米売上高が7%近く減少したと発表した後に13%以上下落していた。同社はこの減収について、「中核となる消費マインドの弱さ、注目度の高いフットウェア製品の販売が鈍化したこと」、そして新学期商戦の需要が「先送りされたこと」を理由に挙げている。
ディックスは2025年、海外展開の拡大やスポーツ用フットウェア市場での競争力強化を目指し、約20億ドル(約3200億円)でフット・ロッカーを買収した。しかし、この買収は同社にとって重荷となり、ディックスは昨年、在庫処分費用の約4200万ドル(約67億2000万円)を含め、この取引の関連損失約1億ドル(約160億円)を計上した。
全米小売業協会(NRF)が発表したランキングによれば、昨年に米国で最も急成長した小売企業は中国のライフスタイルブランド「メイソウ(名創優品)」だった。メイソウは米国で約53%の売上成長を記録し、初ランクインで2位につけたディックスの売上成長率を上回っている。



