孤独は「意志力」の問題ではなく「心の知能指数」の問題
これら5つの誤りが「言及していない」ことに注目してほしい。「怠惰」や「規律」といった言葉は一切出てこない。その代わりに語られているのは、自分が他人にどう映っているかを正確に読み取る能力の欠如だ。自分は気まずい人間だと判断し、他人は自分を面白いと思わないと決めつけ、会話はいずれ双方が話すことのない状態に陥ると思い込む。これらはすべて、他者とのコミュニケーションや相互作用を正確に把握できていないことに起因する。
言い換えれば、孤独は「心の知能指数(EI)」の問題なのだ。EIとは、自分と他者の感情を認識し、その認識を自分の行動の指針にする能力である。これは「自己認識」「自己管理」「社会的認識」「関係性の管理」という4つのスキルに分類される。自身のEIを測るために、専門家は感情的知性の測定テストを受けることを勧めている。
4つの核心的なEIスキルのうち、前述した社会的交流における誤った判断を下す際、私たちの邪魔をしているのは主に「社会的認識」と「関係性の管理」の2つだ。では、この傾向を克服するために何ができるだろうか。
「自分に対する反証データ」を集める
理屈だけで偏見(バイアス)から抜け出すことはできないが、レインの手法を真似て、自分自身にデータを示すことでバイアスを覆すことはできる。
その具体的な方法は以下の通りだ。
交流前: 人との付き合いを断ろうとしている自分に気づいたら、その理由を声に出してみる。「疲れすぎているし、行っても元気は出ない」「彼らは私に来てほしくないのだ」などだ。自分が何を感じ、なぜそう思うのかを言葉にすることが重要な第一歩となる。これはあくまで「予測」であり、「事実」ではないことを忘れないでほしい。そして次のステップは、当然ながらその予測を検証することだ。実際にその社会的交流に飛び込んでみて、その後の気分と予測を比較してみよう。
交流後:交流を振り返り、予測と比較する。「行く前よりも気分は良くなっているか?」「疲れ果ててしまったか?」レインが自分自身に問いかける質問は、もっとシンプルだ。「今、良い気分だろうか?」
レインは、人との付き合いをジムに行くことに例える。運動をした後の爽快感は、これまでに何百回も経験しているため、誰もがその効果を確信している。しかしなぜか、ほとんどの人は会話の後や楽しい時間を過ごした後に自分の気分がどう変化したかを一度も確認したことがないのだ。
これらの知見を日々の行動に活かす
レインは、神経科学の神話を覆し、どの脳へのアプローチが実際には効果がないかを人々に伝えるために精力的に活動している。そんな彼が快く認める唯一の方法(社会的交流)は、いつでも実践可能であり、人生を変える(そして救う)ことができる。


