欧州

2026.08.26 07:00

ウクライナはドローンの自律攻撃能力をどう構築しているのか その内側

ウクライナ東部ハルキウ州で、攻撃ドローン(無人機)「マルシアーニン(火星人)」を抱えるウクライナのドローン部隊「タイフーン」の隊員。2026年4月7日撮影(Nikoletta Stoyanova/Getty Images)

ウクライナではこれまで、多数の企業が自律型システムを急ピッチで開発し、前線部隊へ売り込んだ。しかし、そのシステムは実戦でうまく機能しないことも多く、かえって自律技術への信頼を損なう結果になっていた。

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ウクライナを代表する自律型防衛テック開発企業The Fourth Law(ザ・フォース・ロー)の創業者であるヤロスラウ・アジュニュクは、こうした問題を解決しようとしている。

「別のラストマイル(攻撃の最終段階)用自律ソリューションを試したことのある部隊からは、『以前試したシステムがうまく機能しなかったので、自律ターゲティングは必要ない』と言われることがよくあります」とアジュニュクは明かす。「そこで、当社のシステムをぜひ試してみてほしいと依頼します。すると、短期間の実証後、違いがわかり、すぐに大量の納入を求めてくる部隊が多いです」

同社が販売しているシステムのひとつに「TFL-1」自律モジュールがある。ウクライナで150ドル(約2万4000円)ほどで入手できる最も安いバージョンは、前線部隊に対して、ドローンにAIターゲティング機能を低コストで追加する手段を提供している。このFPVドローン用モジュールは、約15ドル(約2400円)の「Raspberry Pi Zero(ラズベリーパイ・ゼロ)」コンピューターボードをベースにつくられている。「自律システムは、ドローン自体に見合った価格である点が重要です」とアジュニュクは強調する。

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「当社のモジュールは、一般的に搭載されるカメラを、オンボード(機上)コンピューターと統合されたカメラに置き換えるものです」とアジュニュクは紹介した。「そして、飛行システムを構成するほかの部分と接続・連携します」

アジュニュクの話では、ウクライナではラストマイル・ターゲティング、つまり終末段階の目標追尾・誘導という課題の解決におよそ200社が取り組んできたが、有効な解決策を生み出せた企業はごくわずかだという。彼は「その一社が当社です」とし、もうひとつはペレニアル・オートノミーのブランド名で事業を展開しているシュミットのグループだと述べた。

そのうえで、ペレニアル・オートノミーのシステムが完全に統合されているのに対し、ザ・フォース・ローのシステムはモジュール式であり、顧客は同社製の自律モジュールをあらかじめ組み込んだドローンを購入できるほか、既存のドローンに同社製の自律モジュールを追加することもできると説明した。

十分に機能し、許容できるコストのテクノロジーをある部隊が見つけると、それは前線全体に急速に広がる可能性がある。アジュニュクによれば、ある旅団では同社のシステムにより、ドローンの任務成功率がそれまでの約20%から71%に高まったという。「ドローン1機あたりの追加コストは約10%、つまり500ドル程度から550ドル程度への増加に抑えつつ、実質的に『キルゾーン(撃破地帯)』を約3kmから10kmに広げました」とも話した。

次ページ > 自律型システムの生産・配備の規模を拡大することが次の課題に

翻訳・編集=江戸伸禎

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