欧州

2026.08.26 07:00

ウクライナはドローンの自律攻撃能力をどう構築しているのか その内側

ウクライナ東部ハルキウ州で、攻撃ドローン(無人機)「マルシアーニン(火星人)」を抱えるウクライナのドローン部隊「タイフーン」の隊員。2026年4月7日撮影(Nikoletta Stoyanova/Getty Images)

また、「Darts(ダーツ)」をはじめとするウクライナ側のほかの中距離ドローンも、誘導やターゲティングにAIシステムを活用している。

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「有効なドローンは、あらかじめ設定されたルートを自律飛行でき、最終段階での人間の介入が最小限で済むものだけです」とピケンズは話す。彼は、手動で操縦するFPVドローンをマスケット銃、自律型ドローンをライフルになぞらえ、「操縦士1人がドローン100機をプログラムする世界へ進んでいます」と見通す。

ウクライナのこうしたAI活用ドローンに、ロシア軍はすでに対抗措置を講じている。

AI駆動の軍の構築を支援するため、ウクライナ国防省のもとに今年3月に設立された「防衛AIセンターA1」のトップ、ダニーロ・ツウォクは筆者の取材に、「敵はわれわれのドローンのコンピュータービジョン・システムを欺くため、装備を偽装し始めました」と述べた。ウクライナ側は、新たな迷彩・偽装パターンを施した装備の画像を含む新しいデータを用いて、AIモデルを再訓練することで対応したという。

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「将来の戦争は『オペレーティングシステム』の競争になるでしょう」とツウォクは予想する。「戦場をより正確に理解し、より速く結論を導き出し、取るべき行動を提案できるシステムを持つ側が勝つのです」

自律技術は「キルチェーン(目標の探知から撃破にいたる一連の行動)」の迅速化に寄与し、目標の識別能力を向上させ、攻撃の有効性も高める。

ウクライナ特殊作戦軍第3独立特殊任務連隊(独立特殊作戦センター「東」)に所属するニュージーランド出身のドローン操縦士、コードネーム「オビ」は筆者の取材に、ロシア軍の部隊は車両に迷彩や偽装を施し、それを木々や茂みの中に隠そうとするが、AIは人間の操縦士が見落としかねない目標も識別できると説明した。「いったん目標をロックオンすれば、操縦士はドローンをピンポイントで命中させたい箇所を画面上でクリックできます」

オビは「ホーネットを飛ばすのは、従来のFPVドローンを飛ばすのとはまるで違います」とも言う。「従来のFPVドローンの場合、飛行中ずっとスティックを正確に操作しないといけません。それに比べ、こうした新しいシステムでは、コンピューターの操作に慣れている人ならごく短期間で習得できるでしょう」

とはいえ、ウクライナにとっての課題は、たんにAIシステムを開発することだけではない。それを広く利用できるようにし、標準化することも必要だ。元グリーンベレーのピケンズは「すべての部隊が同じシステムを持っているわけではありません」と指摘し、現状では「共通の運用環境は存在しません」と述べている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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