エールは「上面発酵」、ラガーは「下面発酵」である
ビールについて学ぶ際、最初に教わることのひとつが、エールは「上面発酵」、ラガーは「下面発酵」という説明であることが多い。しかしこの表現は、実際にはあまり意味をなさない。
確かに、エール酵母は発酵タンク内でより活発に動き回り、場合によってはより早く上部に浮き上がることがある。しかし、ラガー酵母もタンク内を動き回っている。ラガーの発酵に用いられる低温のせいで、その動きがそれほど速くないだけだ。通常、発酵タンクのあらゆる部分に常に酵母が存在しており、発酵が完了すると、ラガーでもエールでも使用された酵母はすべて底に沈む。
中世の女性醸造家は魔女信仰と関係がある
毎年ハロウィーンになると、同じ俗説がSNSに流れてくる。とんがり帽子をかぶり、猫と大釜を携えた女性ビール醸造家「ブリュースター(Brewster)」が、今日私たちが思い描く魔女像のモデルになったという説だ。
しかし、歴史家のクリスティーナ・ウェイド博士によれば、大規模な魔女狩りは15世紀後半から16世紀にかけて始まったもので、中世最盛期よりも後の時代のことだ。では、その服装はどうか。それは18世紀初頭の書籍に由来するもので、16世紀と17世紀の男女の服装をもとに、画家たちが魔女はこう見えたかもしれないと想像して描いたものだ。実際の魔女狩りの時代に人々が最も恐れたのは、魔女が普通の服を着て歩き回り、周囲に紛れ込んでいるという点だった。
「魔女裁判の時代、魔女自身は近隣住民と同じ服を着たごく普通の人々として描かれていた」とウェイドは書いている。「ごく普通の服装であることこそが、彼女たちの持つ『魔術』の陰湿さを際立たせ、人々に一層の恐怖を与えたのだろう」
大釜やほうきについては、当時のほぼすべての女性に結びつけられる家庭用品であり、そのためこうしたビジュアルが定着したのだと思われる。
さあ、おいしくビールで乾杯しよう。大切な家族や友人とともに、至福の一杯を楽しむことを忘れずに。


