AIは、新たな雇用機会の波を生み出している。LinkedIn(リンクトイン)の調査によると、特定の主要市場ではAI関連の求人数が2023年以降で約2倍に増加しており、一般的な求人の提示報酬が8万ドル(約1270万円)であるのに対し、AI関連の求人では約17万7000ドル(約2820万円)となっている。
しかし、2025年におけるこれらの職種への採用者のうち、女性が占める割合はわずか26%にとどまった。
STEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)分野は伝統的に男性優位の業界が多いが、AI雇用のブームに伴い、その格差はより顕著で明確なものとなっている。AIの採用において女性は少数派であり、その格差は上位の役職ほど広がっている。世界的に見ても、AI企業における最高経営責任者(Cクラス)レベルのAI指導者層に占める女性の割合は、わずか13%にすぎない。
AIの責任者(ヘッド・オブ・AI)やAIディレクター、AI企業やスタートアップにおけるテクニカルスタッフ(技術幹部)メンバーなど、特に高報酬の役職の多くを男性が占めているのが現状だ。
・AI責任者:男性80%
・AIディレクター:男性74%
・テクニカルスタッフ・メンバー:男性82%
AIの権力中枢における不均衡な男女比
特に興味深いのは、AI雇用市場における経済的価値の不均等な分配だ。リンクトインのレポート『Triple Penalty(三重の不利益)』のデータを掘り下げると、最高額の報酬を得られるシニアレベルの役職や、AI企業内でAI開発に最も直接的な影響を与える役職からは、依然として女性が大きく排除されていることがわかる。
高度な技術的専門知識や学歴をほとんど必要とせず、フリーランスのプラットフォーム上での単発のギグワークやプロジェクトベースの不規則な仕事が多く、最も報酬が低い職種である「データアノテーター」だけが、男女比が均等で、女性が業界内で強い足がかりを得ている唯一のAI職種だ。データアノテーション職における女性の採用割合は50%を超えており、非AI職種と同水準となっている。
一方で、AI関連の職種における女性の採用割合は以下のようになっている。
・テクニカルスタッフ・メンバー:18%
・フォワード・デプロイド・エンジニア:18%
・AI責任者:20%
・AI担当ヴァイスプレジデント(VP / 執行役員・副社長級):21%
・AIエンジニア(現在最も人気が高く、需要のある職種):24%
・機械学習(ML)エンジニア:26%
・一般的なAI職種:26%〜29%
・AIディレクター:26%
・応用AI(アプライドAI):26%
・生成AIエンジニア:30%
・AIマネージャー:35%



