タイパ、すなわち時間対効果を意識する場面は生活のあらゆるところに広がった。ところが人生の3分の1を占める睡眠だけは、その効率を測る発想があまりないようだ。
ベッドにいるのに眠れていない時間は、数えられないまま毎晩積み上がる。睡眠ブランド「NELL」を展開するMorghtの調査で、その総量が見えてきた。
年間15日分が消えている寝床の時間
布団に入ってから寝つくまでの時間、夜中に目が覚めて眠れずにいる時間、朝のスヌーズや二度寝で過ごす時間。この3つを合算した「隠れ睡眠ロス」は1日平均約62分だった。
最も長いのは寝つくまでの時間(26.2分)で、夜中の目覚め(18.7分)、朝の二度寝(16.8分)が続く。年間では約375時間、約15日分がベッドの中で失われている計算になる。また、6割超が一晩30分以上、3人に1人は1時間以上のロスを抱えていたこともわかった。

ロスは朝の実感にも表れている。厚生労働省の睡眠ガイドが睡眠の質の指標として重視する睡眠休養感を得ている人は、ロス60分以上の層で17.9%と、30分未満の層の45.4%に対し4割以下にとどまる。

タイパ意識の外側にある1時間
普段、タイパを意識して行動している人は57.3%にのぼる。一方、自分が眠れずに過ごしている時間を明確に把握している人は17.3%にとどまり、8割超は曖昧なままということになる。
正確に把握できていると思う人に限っても、実測のロスは1日約54分あった。時間に厳しい人ほど惜しいはずの損失だが、自己認識だけではとらえきれないようだ。

半数が何もしていない睡眠ロス対策
隠れ睡眠ロスを減らすために実施していることの最多は「特に何もしていない」で48.0%。「就寝・起床時間を一定にする」(20.4%)、「寝酒・カフェインを控える」(17.1%)、「寝る前のスマホ利用を控える」(16.3%)などが並ぶ。
一方、ロスが起きる場所そのものである寝具の見直しは9.5%にとどまった。マットレスが眠れない時間に影響すると考える人は77.3%いるのに、行動には結びついていない。
見直したことがない人が挙げた理由の上位は「高額なので考えていなかった」(32.2%)と「何を選べばよいかわからなかった」(29.6%)で、知らないのではなく価格と選び方が壁になっているようだ。



