経営・戦略

2026.08.25 09:38

足並みのそろわないビジネスパートナーシップに潜む「見えない代償」

Adobe Stock

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私が駆け出しの頃、あるメンターが「鋭い肘の連中(sharp elbows crowd)」に気をつけろと忠告してくれた。当時はその意味を完全には理解できなかった。ディールメイキングの世界にありがちな、ちょっと洒落た言い回しだろうと思っていた。あれから40年以上経った今、彼が言わんとしていたことがはっきりとわかる。「鋭い肘の連中」とは、常により多くの支配権を求めて肘で押しのけ、こちらが合意していないはずの手抜きを平気で行い、あなたの仲間ではなく自分たちのスプレッドシートに都合の良い決定を押し通してくる相手のことだ。彼らはピッチミーティングでは見抜けない。1年経ってから正体を現し、その時にはもう手遅れになっている。

創業者たちから「うまくいかなかった取引」の話を聞くたびに、この言葉を思い出す。市場が変わったり、製品が的外れだったりして失敗した取引ではない。失敗の原因は、テーブルの両側にいる人々がそもそも同じレースを走っていなかったことにある。

多くの創業者が見落としているのは、資本パートナーを迎え入れることは、営業のクロージングよりも結婚に近いということだ。それは取引ではなく、関係性である。そしてどんな結婚生活とも同じで、価値観、時間軸、コミュニケーション、そして最終的にどこにたどり着きたいかで足並みが揃っている時にうまくいく。契約書がどれほど立派でも、そこが噛み合わなければ破綻する。

私自身、RFJのために潜在的なエクイティ・パートナーと向き合う前に、必ず正直に自問した3つの問いがある。今もメンターとして接するすべての創業者に、同じ問いを投げかけている。

1. 自分は本当に何を築こうとしているのか?

これは最もシンプルな問いであり、最も見過ごされがちな問いでもある。自分に支配権、自由、安定したキャッシュフローをもたらす「ライフスタイルビジネス」と、急成長させて最終的にエグジットしたい「スケーラブルなプラットフォーム」は、まったく別物だ。自分がどちらを走らせているのかわかっていなければ、どんなパートナーが自分の隣にふさわしいかもわかるはずがない。そして、あなたが片方を想定し、パートナーがもう片方を想定していれば、すでに問題は始まっている。

2. 自分の時間軸はどうなっているのか?

エクイティ・ファンドには時計が動いている。7年ファンドの4年目に入っているファームと話しているのなら、彼らはすでにエグジットを考えている。考えざるを得ないのだ。一方であなたは、売却を検討し始める前に、あと10年はこの会社を経営するつもりかもしれない。このギャップは時間とともに縮まらない。むしろ広がる。そしていずれ、それこそが「築くべきもの」ではなく「争いの種」になってしまう。

3. 物事がうまくいかなくなった時、エゴを捨てて正直に話し合えるか?

私が最も重視するのがこの問いだ。なぜなら、物事は必ずうまくいかなくなるからだ。何かは常に起きる。その瞬間に必要なのは、あなたと共に問題に向かって走ってくれるパートナーであって、沈黙や責任転嫁に逃げ込むパートナーではない。ピッチの段階での振る舞いにその資質を感じ取れないのであれば、後になって見つかることはない。

足並みの乱れによるコストは現実のもので、しかも複利的に積み重なる。合意なしにピボットはできない。長々とした説明なしに悪い四半期を乗り切ることはできない。あなたは意思決定を下すのではなく、決定を弁明することに追われるようになる。成長を語るべきミーティングが、信頼を巡るミーティングに変わっていく。そしてそのたびに、事業を前に進めるための本来の仕事から、エネルギーが奪われていく。

私が創業者として、そして今は投資家として関わってきた最も強固なパートナーシップは、タームシートの上に築かれたものではない。それは、資金が動く前に交わした厳しい会話の上に築かれていた。入口でその会話を正しく行えば、後々のはるかに高くつく会話を避けることができる。

私の著書『The Growth Capital Playbook: How Smart Founders Find the Right Partner, Scale Fast, and Build What Lasts』では、こうした原則を、目的と人々との整合性を保ちながら事業を築き、スケールさせ、最終的にエグジットするまでの物語を通じて掘り下げている。

forbes.com 原文

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