NEWS 「Forbes Store」オープン! FRAGMENTコラボも展開

働き方

2026.08.25 09:17

労働市場は成長を止めたが、予測を変えた人はほとんどいない

Adobe Stock

Adobe Stock

7月の雇用統計は、見出しの数字だけを読んでいると見落としやすい形で悪かった。雇用者数は2万3000人減少した。これは小幅であり、修正で消えてしまう範囲内の数字だ。失業率は4.1%で横ばいだった。これだけを見れば、弱い月だったという程度に読める。

重要なのは修正だ。5月と6月は合わせて10万3000人下方修正された。すでに弱かったトレンドとの比較では大きな調整である。過去3カ月を計算すると、米国経済の純雇用創出はほぼゼロだ。過去12カ月の月平均増加数は現在3万4000人で、過去10年のどの時点でも景気後退的とみなされたであろう水準である。

どこで減少が起きたのかを見ると、軽視するのはさらに難しくなる。地方政府の教育部門は5万人減少した。小売業は1万9000人減った。金融活動は1万4000人減少した。医療は2万2000人増えた。一見悪くないように聞こえるが、それまでの平均を下回っていた点に気づく必要がある。しかも医療は、3年近くにわたって雇用者数全体を支えてきた部門だ。その役割を担ってきた唯一のセクターが減速し始めると、数字は急速に厳しくなる。

失業率が安定していることがかなりの安心感を与えているが、おそらくそう受け止めるべきではない。失業率は、採用が労働力人口の増加に見合っているため横ばいになることもあれば、労働力人口が雇用と同じ速さで縮小しているため横ばいになることもある。この2つはまったく異なる経済だ。平均時給は前年比3.2%上昇した。これはおおむね生産性と整合的であり、逼迫した労働市場が賃金を押し上げている状況とはまったく一致しない。平均労働時間は34.3時間で横ばいだった。需要の持ち直しを見込む雇用主は通常、人員を増やす前に労働時間を増やすが、彼らは労働時間を増やしていない。同じ統計を読んだ労働経済学者らは、これを明確なシグナルではなく予期せぬ乱気流と表現した。これほど入り組んだ月の特徴づけとしては妥当である。

本当に奇妙なのは、市場がほとんど気にしていないように見えることだ。株価指数は高値圏にあり、信用スプレッドはタイトで、コンセンサスの経済見通しはなお、すでに着地を終えたソフトランディングを描いている。この統計の9日前に会合を開いた米連邦準備制度理事会(FRB)は金利を据え置き、3人の当局者が利上げを支持して反対票を投じた。これは、労働市場の失速を織り込んだ委員会の姿ではない。

説明の一部は、FRBの責務のうちインフレ面の声がより大きく響いていたことにある。総合CPIは3.5%で推移しており、その後反転したエネルギーショックによって上方に歪められている。別の一因は、AI関連の設備投資サイクルが極めて大きく、経済の他の部分の弱さを覆い隠してきたことだ。GDPや企業収益には表れている一方で、雇用する人員は比較的少ない。データセンターは非常に資本集約的で、労働集約度はほどほどである。これはまさに、力強い生産増と横ばいの雇用を同時にもたらす組み合わせだ。

そして率直に言えば、ソフトランディングという物語は粘着性が強いということもある。あるストーリーが8四半期にわたって正しかった後では、それを1四半期長く持ち続けるコストよりも、放棄するコストの方が高く感じられる。

投資家にとっては、単に観察するだけでなく、実行に値することがいくつかある。

第1に、失業率を重要な労働市場指標として扱うのをやめることだ。失業率は遅行指標であり、構成の影響を受けやすい数字で、歴史的には景気後退が始まる時点でサイクルの低水準近くにあることが多い。雇用者数のトレンド、修正、労働時間、採用率はいずれも失業率に先行し、この4つすべてが現在、同じ好ましくない方向を指している。今後2カ月は、見出しの失業率よりも継続失業保険申請件数と離職率をより注意深く見る価値がある。

第2に、今、防御的なポジションが実際には何を意味するのかを再考することだ。典型的な答えである長期国債のロングは、FRBが景気減速局面で利下げに動くときには機能する。だがFRBにはタカ派の反対者がおり、長期ゾーンには短期ゾーンにはない財政供給リスクがあり、総合インフレ率はなお目標を上回っている。デュレーションは労働市場の景気後退に対するまずまずのヘッジだが、スタグフレーション的な漂流に対するヘッジとしては弱い。そして今、第2のシナリオの確率は無視できない。短期国債と高格付け社債は、強い見方を取らずに待つことへの対価を得られる。

第3に、どの株式エクスポージャーが本当に景気循環的なのかを慎重に考えることだ。過去2年間の市場の利益成長のかなりの部分は、景気循環ではなくテクノロジー競争によって支出判断が左右される一握りの企業から生じている。これは一定の範囲では確かに遮断効果を持つ。一方で、雇用と個人消費に依存する指数内の部分、すなわち地方銀行、小売企業、人材派遣会社、消費者金融は、指数全体のバリュエーション倍率が示唆する以上のリスクを抱えているということでもある。S&P 500を保有し、自分は米国経済を保有していると考える人は、自分が実際に何を保有しているのかを見るべきだ。

第4に、これが誤報である可能性について正直であることだ。雇用統計はノイズが大きく、修正は上下どちらにも動く。実質所得を圧迫したエネルギーショックの後に単月でマイナスが出ることは、経済がきれいに回復する場合でもまさに想定されることだ。ガソリン価格は急速に下落しており、第4四半期に向けた実質所得の押し上げ要因である。利下げが実施されるなら、効果にはラグがあるが、効果はある。

慎重姿勢を取るべき理由は、景気後退が確実だからではない。データが明らかにそうではないと示しているにもかかわらず、市場が現在、その問いにはすでに決着がついたかのように価格付けされているからだ。3カ月にわたる純雇用ゼロはソフトランディングではない。再加速前の一時停止かもしれないし、より悪い事態の初期段階かもしれない。その違いは9月と10月の統計に表れるだろう。

奇妙なのは、それを見極める特権のために、景気サイクル全体を通じた水準のバリュエーション倍率を支払うよう求められていることだ。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事