暗号資産市場全体にパニックが急速に広がるなか、ビットコインと暗号資産の価格はこの1週間で急騰し、市場全体の時価総額を約5000億ドル(約79兆6000億円)押し上げた。
ビットコイン価格は、伝説的なビリオネア投資家の一人が自身の取引推奨銘柄にビットコインを挙げたことに後押しされ、5月下旬以来初めて8万ドルに肉薄する水準まで上昇した。
現在、BlackRockが驚くべきビットコインへの方針転換を明らかにするなか、スコット・ベッセント米財務長官がビットコイン価格に新たな1兆ドル(約159兆円)の追い風をもたらそうとしている可能性がある。
CNBCが匿名情報筋を引用して報じたところによると、財務省は約1兆ドルにのぼる国庫一般勘定(TGA)を債券買い入れの資金調達に利用する可能性がある。
「国債利回りをコントロール下に置こうとする財務省の意図により、『ディベースメント(通貨価値下落)トレード』が復活した。発行当局の政策によって債券や通貨への信頼が揺らいでいることで、債券市場や通貨市場から他の市場への資金逃避が起きている」と、FxProのチーフマーケットアナリストであるアレックス・クプツィケビッチ氏は電子メールでのコメントで述べた。
「分散型金融に関連する資産、すなわちゴールド(金)とビットコインが、特に人気を集めている」
先週、ベッセントは「(債券)買い戻しの規模を拡大する」と述べ、さらにそれは「1回あたり40億ドル(約6360億円)を超える可能性がある」と付け加えたことで、ビットコイン価格を刺激した。
40兆ドル(約6360兆円)に上る累積債務が制御不能に陥るなか、トランプ政権が早ければ来年にも債務危機を引き起こしかねないとの懸念の高まりに後押しされ、ビットコインは20%以上急騰した。
「我々には大きなツールキット(政策手段)がある。様子を見よう」と、ベッセントは先週語った。
ビットコインや暗号資産のトレーダーはますます強気になっており、10x Researchのアナリストはビットコインの強気相場が「公式に」到来したと宣言している。
マーカス・シーレン率いる10x Researchのアナリストらは、顧客向け投資レポートで「我々は一貫して、ビットコインが8月か9月のいずれかにサイクルの底を確認する可能性が非常に高く、8月の可能性がますます高まっていると指摘してきた」と記し、今回のビットコイン価格の急騰が市場の「アニマルスピリット」を目覚めさせたと付け加えた。
「ゴールド価格の上昇はティッピングポイントに達した。財務省が一部の長期国債を短期国債へシフトし、その規模を20億ドル(約3180億円)から40億ドル(約6360億円)へと引き上げるという『象徴的な』発表は、一種のオペレーション・ツイスト的な雰囲気を通じて、想定以上の『量的緩和(QE)の復活』という印象を作り出した」
一方、他のアナリストらは、この1週間における金に対するビットコインの堅調なパフォーマンスを指摘している。
ビットコイン財務企業Striveの最高経営責任者(CEO)であるマット・コールは、「ゴールド建てのビットコインは、次のビットコインサイクルがこれまでで最も強力なものになるという私の見解を裏付けている」とXに投稿し「現状の市場予測でも、まだ強気さが足りないほどだ」と付け加えた。
ビットコインと金の比率は「重要なシグナルだ。拡大する希少性トレードにおいて、ビットコインは相対的な主導権を再び主張し始め、最も速い馬という称号を取り戻しつつあるのかもしれない」



