ボーイングは2026年第2四半期に、2018年以降で四半期として最多となる数の航空機を引き渡した。それでも株価はこの1年で下落している。株主にとって気がかりなのは、株価が利益の何倍で評価されているかという話ではない。その四半期に生まれた現金がいかに少なかったか、そして通期の見通しが、経営陣が掲げ続ける年間目標をどれほど下回っているかだ。
2026年のフリーキャッシュフロー予想は10億~30億ドル(約1590億〜4780億円)
この数字は会社自身の予想だ。直近12カ月の売上高940億ドル(約15兆円)と並べてみれば、その小ささがわかる。
経営陣はもう一つの数字も掲げている。年間100億ドル(約1兆5900億円)のフリーキャッシュフロー(企業が自由に使える手元資金)であり、これは十分に実現可能な水準だとしたうえで、2030年代に向けてさらに大きく伸ばせるとみている。ところが2026年の予想は、その上限をとっても100億ドルの3分の1に届かない。しかも経営陣は、そこに至る道筋の詳細を語らず、まず計画づくりを終えたいと述べるにとどめた。
2026年第2四半期は171機を引き渡しても、全社で生んだ現金は6億3100万ドル(約1000億円)
制約になっているのは機数だけではない。1機あたりの収益性も影響している。会社の説明によれば、737と787の両プログラムは現金ベースの利益率が下がっており、損益分岐点をわずかに上回る程度にとどまる。737の利益率が2018年の水準に並ぶのは2020年代の終わりになる見通しで、787の利益率はその時点で2018年の水準を上回るとみている。
問題は受注残高の中身にある。経営陣によれば、低価格で受注した機体の引き渡しを終えるまで収益性は改善せず、高利益率の案件は納入待ちの後方に控えている。直近12カ月の純利益率は2.6%である一方、営業利益率はマイナス5.4%だ。つまり、いま出ている利益は工場から生まれたものではなく、営業外の項目から出ている。引き渡しのペースを上げても、その費用をかろうじて賄える程度にしかならないというのは、望ましい状態とは言えない。



