NEWS 「Forbes Store」オープン! FRAGMENTコラボも展開

マーケット

2026.09.02 11:45

急騰する米国債利回りは、2026年に銀行の明暗をどう分けるのか

stock.adobe.com

高い利回りが数年続けば、銀行の債券運用は息を吹き返す

利回りが数年にわたって高いまま推移すれば、銀行はやがて、はるかに高い利回りで運用資産を組み直すことになる。1000億ドル(約15兆9000億円)の有価証券を保有する銀行を想定してみよう。保有する債券が満期を迎えるたびに、1.5%ではなく4~5%、あるいはそれ以上で再投資できる。収益にとって強力な追い風だ。

advertisement

現在の含み損だけを切り離して見るべきではない理由が、ここにある。利回りが低い古い資産が満期を迎え、利回りが高い資産へ置き換わっていけば、時価評価によって生じた損失は、かなりの部分が相殺されうる。

短期金利と長期金利の開きが、銀行収益を大きく左右する

銀行にとっては、利回りが高いという事実そのものよりも、償還までの期間ごとに金利を並べたイールドカーブがどんな形をしているかが重要だ。シナリオAとして、短期金利が5%、長期金利も5%の状態を考えてみる。調達コストは高いのに利ざやは薄く、よい環境とはいえない。シナリオBとして、短期金利が3%、10年債利回りが5%の状態はどうか。銀行は安く資金を調達しながら、高い長期金利で貸し出せる。こちらのほうがはるかによい。シナリオCとして、短期金利が4%、10年債利回りが5.2%の状態も、環境は引き続き良好だ。強固な預金基盤を持つ銀行には、とりわけ追い風となる。短期金利と長期金利の差が開いてイールドカーブが立ってくる展開は、銀行にとって好材料になりやすい。

2026年に明暗を分けるのは、金利水準ではなく預金と資産の中身だ

利回りの上昇が預金の流出を招き、預金の流出が含み損の実現につながる。そうした循環が生まれかねず、投資家はこの連鎖を注意深く追う必要がある。

advertisement

高い利回りが続く環境で、銀行が持つ特性はそれぞれどう評価されるのか。整理すると次のようになる。

表2 高い利回りが続く環境における銀行の特性ごとの評価

銀行が持つ特性:高い利回りが続く環境での評価

大きく安定し、調達コストが低い預金基盤:非常に有利

変動金利の企業向け融資:非常に有利

満期が近い有価証券:有利

潤沢な現金と短期国債(Tビル):有利

預金を安定して集められる顧客基盤:大きな強み

預金保険で守られない預金が多い:リスク

満期までの期間が長い米国債:不利

満期までの期間が長い住宅ローン担保証券(MBS):不利

市場からの資金調達に大きく依存:不利

固定金利の住宅ローンを大量に保有:不利

預金を集める力が弱い:大きな弱み

利回りの急騰は、強固で安定した預金基盤と、満期が近く金利が動く資産を持つ銀行に報いる可能性がある。そして、金利が固定されたまま長く残る資産に縛られ、預金保険で守られず逃げ足も速い預金を抱える銀行を罰する。2026年に効いてくるのは、利回りがどちらへ動くかよりも、預金と資産をどう組み立ててきたかという銀行ごとの差のほうだ。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事