経済・社会

2026.08.24 17:45

金正恩にすがるトランプ 日本にとって最悪のシナリオとは

3dmitry - stock.adobe.com

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米国のトランプ大統領が年内に北朝鮮の金正恩総書記と会談する考えを示した。トランプ氏は、米国とイランの戦闘終結に向けた最終合意を目指す60日間の交渉が期限を迎えた時期に、米韓合同演習の縮小をSNSで主張し、記者団には金氏との年内会談に意欲を示した。「すぐに停戦できる」と豪語したウクライナ、戦闘終結に向けた覚書が形骸化しているイランなど、トランプ氏の安全保障政策は行き詰まっている。金正恩氏と会談して、失地回復を目論んだのだろうが、一体どんなシナリオが待ち受けているのか。

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2019年2月、ハノイで行われた米朝首脳会談で、金正恩氏は制裁の全面解除と引き換えに寧辺核施設の廃棄を提案。「寧辺+α」の廃棄が必要だとする米側と衝突し、会談は決裂した。北朝鮮はその後、非核化を前提とした会談には応じないという方針に転換した。トランプ氏は前提条件のない会談の開催を求めている。

さすがのトランプ氏も、お得意の「平和の使者」を演出する以上、核問題で何の進展もないわけにはいかないだろう。6回の訪朝経験がある山本栄二元駐ブルネイ大使は「北朝鮮が核兵器をこれ以上増やさないという合意を結ぼうとするのではないか」と語る。1994年の米朝枠組み合意以降、頻繁に使われてきた「北朝鮮核開発の凍結」を目指すという見方だ。

金正恩氏も19年に一度提案したことがある「寧辺核施設の廃棄」は受け入れやすいだろう。ただ、米国は少なくとも寧辺以外に、平壌近郊のカンソン、平安北道亀城などに秘密の核関連施設があるとみている。トランプ第一次政権当時、ポンペオ国務長官(当時)が実際、カンソンの施設廃棄を北朝鮮側に求めたこともある。非核化の会談を嫌がる北朝鮮が、寧辺以外のカードを切る可能性は極めて少ない。

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また、「凍結」の担保も疑わしい。北朝鮮は国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れる姿勢は見せていない。2007年2月に6者協議が合意した、「凍結の後、無能力化を経て廃棄」というロードマップは、「非核化はありえない」とする北朝鮮が受け入れないだろう。

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文=牧野愛博

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