経済・社会

2026.08.24 17:45

金正恩にすがるトランプ 日本にとって最悪のシナリオとは

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でも、そんなことはトランプ氏にはどうでもいい。米宇宙軍大佐だったが、トランスジェンダーを公言していたため、退役を余儀なくされたブリー・フラム氏は「トランプ氏はあまりにも多くの場合、現実について、うそをつき、虚勢を張り、責任をそらす」と語る。それはすべて、「強さ」を演出するパフォーマンスだとも指摘する。しかも、トランプ氏の暴走を止める意思と能力を持った閣僚や国家安全保障会議(NSC)メンバーはすべて政権外に去った。トランプ氏は寧辺核施設の廃棄だけで、堂々と「北朝鮮の核開発をストップさせた」と公言するだろう。

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当然、北朝鮮は対価を求めてくる。ハノイ会談と同じように、制裁の全面解除を求め、トランプ氏も応じるだろう。それだけではなく、朝鮮戦争休戦協定の平和協定への転換、相互に連絡事務所を開設したうえでの国交正常化の道筋での合意も視界に入ってくる。トランプ政権はまだ任期が2年以上残っている。手続きを無視するトランプ氏なら、これらの合意を一気に結ぶことなど造作もないことだろう。

そうなればどのような事態が待っているのか。山本栄二氏は「朝鮮戦争の平和協定が結ばれれば、北朝鮮は在韓米軍の撤退を求めるだろう。トランプ氏も応じるかもしれない」と語る。さらに、「韓国で改めて独自核武装を求める世論が盛り上がるだろう」とも指摘する。北朝鮮は勢いづき、さらに在日米軍の縮小や撤退も、トランプ氏に持ち掛ける可能性もある。

これに対し、日本はどうするのか。米国が国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長を制裁した際、高市早苗首相は「大変残念だ」と述べるにとどまり、撤回要求や明確な抗議には踏み込まなかった。米朝合意についても、せいぜい「将来の非核化を盛り込んでほしい」とお願いするのが関の山だろう。しかし、「将来の非核化」という目標は、核不拡散条約の成立以降、いつも国際社会で「実現不可能なお題目」として扱われてきた程度の意味しかない。

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場合によっては、北朝鮮は「もはや、米朝に核・ミサイル問題は存在しない。日本も拉致問題をあきらめ、日朝国交正常化に進むべきだ」と主張するだろう。当然、日本による巨額の経済支援が目的だ。山本氏は「さすがに、核・ミサイル・拉致問題をそのままにして日本の血税を流し込むことを、日本の世論は許さないだろう」と語る。私もそう信じたい。

文=牧野愛博

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