Forbes JAPAN 2026年10月号は、「世界を変える30歳未満」30人特集。30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで、米『Forbes』が2011年より開催し、『Forbes JAPAN』でも18年から8年間で総計330人を選出してきた。
今年も4つのカテゴリから30人の受賞者を選出。ENTERTAINMENT&SPORTS部門で受賞したのがすしらーめん《りく》だ。
短く、手軽なコンテンツがあふれるショート動画全盛時代に、半年かけて一本の動画をつくる。なぜコスパもタイパも度外視で、狂気的なまでに「面白い」を追求し続けるのか。
どこか懐かしい、森に囲まれた広大な廃校。そこは、すしらーめん《りく》が続けてきた「本気の遊び」を追求する実験場だ。これまで「天井に張り付いたら人はどれくらいで気づくのか」「食べづらいサラダチキンを深海に沈めて錠剤にしたい」など、常識に縛られない発想をかたちにし続けてきた。その姿は登録者数世界一の米国YouTuber・MrBeastにも届き、2024年には共演も果たした。言語の壁を越えて世界中の視聴者を惹きつけ、YouTubeのメインチャンネル登録者数は1000万人を突破。累計再生回数は33億回を超えた。だが、りくの目に「数字」は映っていない。
「再生数や登録者数を目標にすると、『面白いものをつくる』という自分の軸がブレる。みんなにただ『面白い』と言ってもらえるのが幸せなので」
2023年末、クラウドファンディングで1億円超の資金を集めて校舎を改造。これまで以上に大規模で過激な実験を、安全に撮影できる環境を整えた。ゲーム「マインクラフト」のようにガラス越しに1000℃の溶岩でチキンを焼く実験では、ガラスにマグマが固着しないよう、透明な剥離剤を探すところから試行錯誤。『何やってるんだ?』と思うような地味な作業もあります。それでも誰もやっていないことに挑戦することがいちばんワクワクする」と目を輝かせる。
短尺動画が主流となり、生成AIを活用して「早く、手軽に」コンテンツをつくることができる時代。しかし、りくは「半年かけて撮影した映像を20分にすることも」と、コスパもタイパも度外視だ。最新作では、『鬼滅の刃』さながらの「炎の刀」を自作するなど、時間も手間も惜しまず、リアルだからこそ生まれる面白さを追求する。
14歳で動画投稿を始めたりくにとって、YouTubeは「遊びを肯定してくれた唯一の場所」だった。『遊んでいないで勉強しなさい』という世の中で、遊びを正解にしてくれた。だから恩返しがしたい」と、今も発信の場をYouTubeに置き続け、編集作業も一貫して自ら手がける。
「まだ面白い動画を追求する修業期間。100%を101%の完成度にするために自分でやり抜きたい」
すしらーめん《りく》◎1999年、東京都生まれ。14歳から動画投稿を始め、YouTube登録者数1000万人超。改装した校舎での大規模な実験を中心に投稿。サブチャンネルでは、愛犬・保護猫の動画も話題に。2026年5月には『1st写真集 さいごのふたり』を発売。
ジャケット135300円、シャツ38500円、パンツ49500円/すべてアナーキストテイラー(ティーニー ランチ Tel:03-6812-9341)




