AIデータ戦争が、ついに破産裁判所に持ち込まれた。
事実関係はこうだ。グーグルは、破綻したスピリット航空の電子メール約1億通、Teamsのメッセージ5億件、コード3000万行、そして1986年までさかのぼる従業員記録に対して1000万ドル(約15億9000万円)を入札し、AI向けデータラベリングを手がけるメルコア(Mercor)の750万ドル(約11億9000万円)を上回った。さらにAIスタートアップのMicro1(マイクロワン)が、締め切り後に1250万ドル(約19億9000万円)の入札を投げ込んだ。
Micro1は、CEOのアリ・アンサリが立ち上げた若いAI学習スタートアップで、機械学習モデルを開発する企業に人材と実世界のデータを引き合わせる事業を手がけている。同社が締め切り後にグーグルの1000万ドルを上回る額を提示したのは、数十年分の実際の業務記録こそ、より高性能なAIモデルを鍛えるのに必要なものだと考えているからだ。アンサリは、これほど価値のあるデータに対してグーグルの提示額はあまりに低すぎると主張した。
判事の判断は米国時間2026年9月9日に示される。
AIデータ戦争は、消えた航空会社の受信トレイから始まった
AIデータ戦争は、これ以上ないほど奇妙な戦場を見つけた。破綻した航空会社のメール保管データをめぐる、破産手続きの競売である。スピリット航空は2度目の破産を経て2026年5月2日に運航を停止した。あとに残されたのは、職を失った1万7000人を超える従業員と、約81億ドル(約1兆2900億円)の負債、そして今月まで誰も値段をつけようと考えなかったもの、すなわち数十年分のありふれた社内のやり取りだった。8月14日、グーグルがこの保管データの競売を制した。
ただし、グーグルの落札が確定するかどうかはまだわからない。その数日後、Micro1が同じデータに1250万ドル(約19億9000万円)を提示する書面をスピリット航空の弁護団に送ったからだ。入札の締め切りは、すでに過ぎていた。乗客のプロフィールとマイレージ会員のアカウントは、売却の対象から外れている。
そこで働いていた人たちは、対象から外れていない。



